2018年12月1日午前10時から新4K8K衛星放送の本放送が開始されるまで、残り16日となった。放送サービス高度化推進協会(A-PAB)が11月12日に報道向けに実施した新放送の設備視察ツアーでは、「BSテレ東4K」の4Kマスタールームを公開するなど、着々と準備が進められている様子をアピールした。

12月1日から本稼働するBSテレ東4Kの4Kマスタールームは意外に狭い

 16年秋に神谷町から六本木に移転したテレビ東京の本社屋に入っているBSテレ東4Kの4Kマスタールームは、主として現行のHD放送データ(HD SDR=スタンダードダイナミックレンジ)を、4KのHDR(ハイダイナミックレンジ)方式のひとつである4K HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)方式にアップコンバートして送出する拠点となる。現在のフルHD番組を送出しているマスタールームと同じフロアの後方にあり、約20平方メートル弱の狭いスペースとなっている。

 現行放送はトラブル時のバックアップ用に2系統で作業にあたっているため、スタッフは放送の監視用に2人、設備機器の監視用に2人の、計4人体制を敷く。これに対して、4Kマスタールームは1人のワンオペレーションで対応するため、コンパクトなスペースで椅子も一脚しか用意されていない。放送開始当初は4Kのオリジナル番組は少なく、2K放送のアップコンバート作業が主となるため最小限にしているという。

 マスタールームの正面にある多くのモニターは、右上が放送用のデータが準備されていることを確認するモニター、右下は視聴者が見ているのと同じオンエアモニター、左上は2KのCMデータを4Kにアップコンバートしたときの確認用モニター、左下が2系統の信号確認を行うモニターとなっている。

 担当者によると「アップコン作業そのものは自動化しているが、ハードのコンバーターが正しく動いているかは人がチェックする」という。データの種類がHD SRDや4K HLG、色域も2KのBT.709や4KのBT.2020など、さまざまな規格のデータが混在しているため、コンバーターの設定が間違っていると、白飛びした映像などで送出される可能性がある。なお、リアルタイムで見ると、情報量の多い4Kの放送は2Kよりも約2秒ほど遅れて表示されるという。

 14年に総務省は、BS4Kと8Kの試験放送を2020年に開始する予定を、4年前倒しの16年とし、本放送も18年に開始すると発表した経緯がある。そのため4K8K放送関連のすべてのスケジュールが前倒しとなり、今回、4Kマスタールームで使用する放送設備の仕様も、工期短縮やコスト削減を図るためにBS民放5局で協議しながら統一することで、12月1日の本放送に間に合わせたという。
 
4K対応したサブコントロールルーム

4K HDR(右)とHD SDRの信号を比較しながらモニタリングできる

 他にも、番組制作の中枢を担うサブコントールルームの4K対応も公開された。モニターを見ながらHD SDRと4K HDRを比較しながらモニタリングできるようになっていた。渋谷のスクランブル交差点の4K HDR映像は全体的に明るく、くっきり映し出されている様子が確認できた。