家電量販店や携帯キャリアなどでおなじみのポイント。決済情報や会員登録と紐付いた各種ポイントサービスは、支払いに現金を使わない「キャッシュレス化」とも密接に関わり、リアル店舗とオンラインショップの連携、顧客データベースの統合といったマーケティング施策のカギを握る。複数の店舗で使える共通ポイントをはじめ、乱立するキャッシュレス決済のさまざまなアプローチを、数回に分けて紹介していく。

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キャッシュレス、実はアプリ払いが一番便利

 支払い金額に応じてポイントが貯まり、そのまま支払いに利用できる方式をポイントカード、対して、一定のポイント数まで貯まると、割引などの特典がもらえる方式をメンバーズカードと定義しよう。このメンバーズカードでは、チャージ(入金)機能を備え、チャージした分だけ支払いに利用できる場合も多い。

 どちらも、多くの企業/ブランドは物理的なカードとスマートフォン用アプリを提供し、ポイントプレゼントなどで積極的にカードからアプリへの移行をうながすケースも見受けられる。とはいえ、レジでの出しやすさやセキュリティなど、それぞれ一長一短があるので、財布からカード類がなくなり、すべてアプリに置き換わることはないだろう。
 
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ニトリの場合、ポイントカード裏面をスマートフォンのカメラで読み取ると、
瞬時に会員情報が読み込まれ、公式アプリがポイントカードになる

 貯まっているポイントやチャージ残高の確認は、ブラウザでメンバーズサイト(マイページ)にログインすればチェックでき、普段、スマホよりPCのブラウザのほうが見やすいと感じているならカード、逆にスマホしか使わないなら、関連する情報までが完結するアプリのほうが使い勝手はいい。店舗側の視点でみると、ブラウザとアプリ、どちらが自社のターゲット層にとって使いやすいかの比較になる。スマホなど、画面の小さいモバイル端末のユーザーインターフェース論につながる奥の深い問題だ。
 
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ドトールコーヒーのプリペイドカード「ドトール バリューカード」はアプリはなく、カードのみ。
Webサイトからマイページにログインすると、チャージ残高や獲得ポイントが確認できる。
クレジットカードからのオートチャージにも対応している

若年層ほど現金決済の割合が高い……節約マインドの低下?

 インターネットユーザーを対象に、博報堂金融マーケティングプロジェクトが2016年秋に実施した「決済」と「スマートフォン」を軸とした「お金」に関する生活者意識調査調査(第1回)によると、1か月あたりの決算手段は「現金」が最も多く、51.4%と半数以上を占める。ただ、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどを合計した「カード決済」の合計も40.8%となり、4割程度を占めた。
 
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 男女別に世代ごとに集計すると、意外にも若い人ほど現金決済の比率が高く、クレジットカードの利用率は男性、女性とも50代が最も高かった。調査結果をみると、キャッシュレス派には、なかなか理解しがたい事実が浮かび上がる。とくに若年層は、クレジットカードで支払うとポイント/マイルが貯まる仕組みを知らないか、節約に対する意識が希薄なのではないかと思ってしまう。

 ポイント獲得の最大化よりも、レジでの精算スピードを重視するなら、事前にチャージした独自のメンバーズカード/アプリが最もスピーディだ。個人的には、スマホを活用した「スマート決済」の本命として推したい。クレジットカード払いでチャージすればクレジットカードのポイントも貯まり、オートチャージを設定しておけばチャージの手間もかからない。
 
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FeliCaチップを搭載した「おサイフケータイ」対応スマートフォンやスマートウォッチなら、店頭の専用端末にピッとかざすだけ。FeliCa非搭載の端末でも、アプリの決済用画面を提示すれば、キャッシュレスでスピーディに買い物ができる

 飲食店などの全国チェーン店では、プッシュ通知で届くクーポンや来店ポイントが貯まるチェックイン機能など、オトクな要素が盛りだくさんの独自のメンバーズカード/アプリが主流になる。また、個人経営の小規模店舗では、FeliCa対応スマホやウェアラブル端末をかざすだけで、ピッと手軽に支払える汎用的な電子マネーの「楽天ペイ」「LINE Pay」などのスマホ向け決済アプリが存在感を増すと予想する。(BCN・嵯峨野 芙美)