ZenFoneシリーズ最高峰「ZenFone AR」、今夏登場

新製品

2017/04/21 17:32

 ASUS JAPANは、ハイクオリティのバーチャル体験を実現するAR技術の「Tango」と、高品質なモバイルVRを実現するGoogleのプラットフォーム「Daydream」の両方に対応する世界初のSIMフリースマートフォン「ZenFone AR(ZS571KL)」を今夏に発売する。発売日や予約開始日は、後日改めて案内する。


「ZenFoneの革命児」と銘打つ「ZenFone AR」

日常の体験を一新、大画面・高解像度・ハイスペックのモンスターマシン

 「ZenFoneの革命児」と銘打った「ZenFone AR」を掲げたASUS JAPANマーケティング部のシンシア・テン部長は、「シリーズ最高峰のモンスターマシン」と紹介した。これまでエントリー・ミドルクラス・ハイエンドの三つのセグメントにラインアップを区分していた「ZenFone」シリーズだが、「ZenFone AR」はさらにその上の「イノベイター」のクラスに位置づける。
 

「ZenFone AR」の位置づけを説明するマーケティング部のシンシア・テン部長

 2300万画素の高解像度カメラ、位置情報を認識するモーショントラッキングカメラ、物体との距離を感知する赤外線搭載の深度カメラの三つのカメラで構成する「ASUS TriCamシステム」を搭載。ARとVRを存分に体験でき、さらに、その先にあるテクノロジーの可能性の扉を開くデジタルデバイスを目指して開発した。
 

AR機能の肝となる「ASUS TriCamシステム」

「ZenFone AR」ならではのARのデモを披露

 プロダクトマネージメント部の阿部直人テクニカルプロダクトマネージャーは「『ポケモンGO』で一躍有名になったARだが、現実とバーチャルの間には違和感があった。『ZenFone AR』が生み出すARは相互にナチュラルに融合したまったく新しい体験になる」と、従来のARのイメージを覆していると説明。いくつかの実例を紹介した。
 

プロダクトマネージメント部の阿部直人テクニカルプロダクトマネージャー

 まず、手軽にARを体験できるゲームアプリ。現実世界でヴァーチャルのドミノ倒しができる「Domino World」は、カメラが映し出す世界にドミノを並べていくのだが、段差や足場がない場所には設置できないようになっていたり、ドミノの動きも物理法則に基づくものになっていたり、非常にリアルだ。
 

ARアプリ「Domino World」

 カメラを通して現実空間に恐竜を出現させる「Dinos Among Us」は、360度どの方角から見ても自然だったのが印象的。スマホの性能で描写した3Dモデルとは思えないほど、ディティールが整っていた。
 

ARアプリ「Dinos Among Us」

 もちろんAR機能の活用は「遊び」だけにとどまらない。リビングスタイルの井上俊宏代表取締役が紹介した「RoomCo AR(ルムコエーアール)」というアプリは、部屋の中に実寸大の家具を仮想的に設置できるというもの。

 似たようなサービスは昔からあるが、驚くべきはそのクオリティだ。足が地面から離れていたり、現実にある物体と被ってしまったりというAR特有の現実からの浮遊感は一切ない。現実と大差ないイメージを創造することができるのだ。
 

「RoomCo AR」のデモを行うリビングスタイルの井上俊宏代表取締役。
ヴァーチャルと現実の物体の前後関係も正確に認識できる

 こうした先進的機能を支えるのは、「ZenFone」史上最高となる2K(2560×1440ドット)の高解像度ディスプレイをはじめ、従来のスマホの枠を大きく超えたスペック。今回、世界で初めて8GBのメモリを搭載。CPUはクアッドコアのSnapdragon 821(2.35GHz)で、デスクトップPC並のグラフィック性能を発揮する。

 サウンド面では「SonicMaster3.0」を採用。本体、付属のイヤホン「ZenEar」ともにハイレゾに対応する。デュアルSIMスタンバイ対応(DSDS)にも対応しており、2枚のSIMカードを1台の端末で使用することが可能。「ZenFone」の中だけでなく、現行スマホで最強ともいえる仕上がりだ。
 

基本性能も最高峰と呼ぶに相応しいハイスペック

 税別価格は、メモリ8GB/ストレージ128GBの「ZS571KL-BK1 28S8」が9万9800円、メモリ6GBメモリ/ストレージ64GBの「ZS571KL-BK64S6」が8万2800円。なお、梱包箱は、簡易的なVRゴーグルに変形する仕様となっており、ハイクオリティのVRコンテンツを購入後すぐに体験できる。

 AR・VR機能は、他社とパートナーシップを結び、さらなるアップデートを図るという。新しいテクノロジーの可能性がスマホでどう花開くのか注目したい。(BCN・大蔵 大輔)