売れ筋は2~3万円台、ハイエンドでも6万円台、安さ際立つSIMフリースマホ

特集

2017/04/11 15:00

 新生活シーズンを迎え、気分も新たに、スマートフォンの買い替えを検討している人も多いだろう。一括払いで安価なSIMフリースマホを購入し、同時に大手キャリアから、いわゆる「格安SIM(MVNO)」に乗り換えれば、毎月支払うスマホ関連の支出は大幅に下がる。

 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、新規に販売されたスマホのうち、直近では約2割がSIMフリーだ。春商戦がピークを迎える3月のSIMフリースマホの販売台数は、約2年前の2015年1月を1とすると、2.9倍に拡大した。

 人気のメーカーは、2016年6月発売の「HUAWEI P9 lite」がロングセラーを続けているファーウェイ。「HUAWEI P9 lite」は、キャリアが販売するモデルを含むAndroidスマホで16年の年間販売台数1位を獲得。コストパフォーマンスの高さから、今も人気No.1だ。今回は、そのファーウェイ製品を例に、「価格」を軸としたSIMフリースマホの選び方をまとめた。

2万円台でも実用性は十分、カメラを重視するならハイエンド

(1)5~6万円超のフラッグシップモデル

 カメラ機能を重視するなら、断然このクラス。大画面ディスプレイ、高性能CPU、大容量ストレージ、急速充電に対応する大容量バッテリ、そして高級感のあるデザインと、そのメーカーの技術力の高さがわかる価格帯だ。

 一括払い時の価格を比較すると、大手キャリアが販売するiPhoneやXperiaなどの人気機種より安いにも関わらず、カメラや画質、サウンドといった基本性能は勝るとも劣らない。予算やニーズにあわせて選べる価格帯の広さと割安感こそ、SIMフリースマホが人気を集めている理由だ。
 

代表モデル:HUAWEI Mate 9(左、税別価格6万800円)、HUAWEI P9(同5万800円)

 ファーウェイの現行ラインアップでは、大画面約5.9インチの「HUAWEI Mate 9」と約5.2インチの「HUAWEI P9」の2機種。どちらもLeicaと共同開発したダブルレンズカメラを搭載し、デジカメ代わりに使えると高評価だ。独特のカメラの詳細は<ファーウェイの強み、ダブルレンズカメラ技術の進化とその実力は?(2017年1月12日掲載)>を参照して欲しい。

(2)女性にも人気、2~3万円台の売れ筋モデル

 画面サイズはおおむね5インチ台前半で、性能と価格のバランスが優れた、現在のSIMフリースマホのスタンダードだ。製品数も多く、迷ったらこの価格帯から選べばハズレはないだろう。もう1万円プラスすると、LTE(4G)と3Gの同時待受が可能なデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)に対応したミドルエンドモデルも候補に加わる。1台のスマホで2つの番号を使い分けたり、通話用とデータ用で通信会社を使い分けたりするなら、DSDS対応が便利だ。
 

代表モデル:HUAWEI P9 lite(左、税別価格2万5800円)、HUAWEI nova(同3万7980円)

 約5.2インチの「HUAWEI P9 lite」、約5.0インチの「HUAWEI nova」とも、手頃な価格ながら、実用度の高い必要十分な機能を備え、とてもリーズナブル。カメラは、肌の色や目の大きさを調整できる「パーフェクトセルフィー」など、自撮り機能も豊富で、特に女性に人気という。2月24日発売の最新モデル「HUAWEI nova」は、DSDSとau VoLTEにも対応。au VoLTE対応機種ならマルチキャリアで利用でき、将来的にMVNOを乗り換えても使い続けられるので安心だ。

(3)「お試し」や「2台目」なら1万円台の格安スマホ

 試しにAndroidスマホを使ってみたい人や、できるだけ出費を抑えたい人向け。廉価モデルとはいえ、3、4年前に発売された機種に比べれば高スペックなので、手持ちの機種の動作に不満があるなら、このクラスでいいので、買い替えたほうがストレスが減るだろう。
 

代表モデル:HUAWEI nova lite(現在は、主要MVNOのSIMカードとのセット販売のみ)

 「BCNランキング」をもとに、価格帯別販売台数構成比を集計すると、「2万円以上3万円未満」が最も多く、「3万円以上4万円未満」とあわせると6~7割を占める。その一方で、「4万円以上」の比率も上昇し、価格より性能を重視し、ワンランク上のクオリティを求めるユーザーも増えている。
 

 売れ筋の2~3万円台でも実用性に不足はなく、メイン端末として十分に使える。価格を基準にすると選びやすく、メーカー間の比較もしやすいだろう。