BDレコーダー、三つ巴のシェア争いからパナソニックが一歩リード

特集

2008/10/21 19:30

 パナソニック、ソニー、シャープの3社がシェアを争うBDレコーダー。9月のメーカー別販売台数シェアでは、ソニー、シャープを抑えてパナソニックが40.4%でトップを獲得した。「BCNランキング」をもとに注目のBDレコーダーの最新動向についてまとめた。

●「ブルーレイDIGA」シリーズ最新機種がシェア上位を占める


 メーカー別シェア推移をみると、08年初めはソニーが6割を占めていたが、4月になって低価格機を投入したパナソニックが、一気に首位を奪取した。その後、4-6月にはソニーとパナソニック2社のトップ争いが激化した。その一方で、シャープが徐々にシェアを拡大。7-8月は三つ巴の戦いになった。そして、次世代DVDの覇権争いやダビング10の運用開始、オリンピック需要などが落ち着きを見せた9月、他社に先駆けて新製品を発売したパナソニックが40.4%でシェア1位を獲得した。2位は29.4%でシャープ、3位は28.4%でソニーがつづき、シェア争いから、パナソニックが一歩リードする形になった。


 カラーバリエーションモデルを合算した9月のシリーズ別販売台数シェアでは、1位はシャープの「BD-HDW22」で、シェア15.9%を獲得した。08年7月発売の「AQUOSブルーレイ」シリーズ3モデルのなかで、250GBのHDDを搭載したエントリーモデルにあたる。

 3位のパナソニック「DMR-BR500」は、08年3月発売で、250GBのHDDを内蔵するモデル。発売から半年が経過し、8万円台と手頃な価格になったことが、シェアを押し上げる要因となっている。また、08年9月に売り出した同社の「ブルーレイDIGA」最新シリーズでは「DMR-BW730」が2位、「DMR-BW830」が4位にランクインした。売れ筋のトップ5のうち3製品をパナソニックの製品が占めた。


 「DMR-BW730」は320GB、「DMR-BW830」は500GBのHDDを搭載。BSデジタルハイビジョン放送の「DRモード」録画時と比較して、フルハイビジョン画質で時間にして5.5倍長時間録画ができる。また、08年12月からサービスが開始される予定の「アクトビラ・ダウンロード」にも対応。映画などをHDDにダウンロードしてディスクに保存できる。

●年末商戦に向けてソニー、シャープの動きに注目

 年末商戦に向けてソニー、シャープも新製品を投入する。ソニーは、9月27日に新開発の高画質回路を搭載したBDレコーダー6機種を発売した。高いクオリティの映像とサウンドを楽しめる「Xシリーズ」、ハイビジョンビデオカメラとの連携を重視した「Lシリーズ」、手軽にハイビジョン番組を録画できる「Tシリーズ」を展開する。シャープは「AQUOSブルーレイ」シリーズでシングルチューナータイプの「BD-HD22」を10月20日、VHSビデオ一体型の「BD-HDV22」を11月25日に発売する予定。これから年末に向けてパナソニック、ソニー、シャープの三つ巴の戦いが本格化していきそうだ。(BCN・岩渕恵)


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