なぜ売れる? イー・モバイルのタッチケータイ「Touch Diamond」

特集

2008/10/22 19:50

 10月10日に発売したイー・モバイルのスマートフォン「Touch Diamond」が、「BCNランキング」の携帯電話ランキングで10月第2週で1位を獲得した。「Touch Diamond」とはどういった端末なのだろうか。なぜスマートフォンがこれほど売れているのだろうか。


●「iPhone」並みの操作感? Windows Mobile搭載のスマートフォン

 10月10日、イー・モバイルはスマートフォン「Touch Diamond」を発売した。金曜日の発売にも関わらず、月曜から日曜で集計する「BCNランキング」の携帯電話ジャンルで初登場1位を獲得。続く10月第3週も5位と健闘している。頭金0円の携帯電話が上位を占めるなか、高価でビジネス向けといわれるスマートフォンが売れている。

 「Touch Diamond」は、OSにWindows Mobile 6.1を搭載したHTC製のスマートフォン。HTCが開発したタッチユーザーインターフェイス「Touch FLO 3D」を採用し、指先で画面をなぞるだけで、アプリケーション操作や画面のスクロールなどができる。モーションセンサーも搭載するので、端末を横に傾けると画面表示も横に切り替わる。つまり、「iPhone」のような操作性を実現したWindows Mobile搭載のスマートフォンといえる。

 本体サイズは薄さ11.9mm、重さ98gというスマートフォンのなかで最薄・最軽量。2.8インチのタッチディスプレイを搭載し、ディスプレイ下側には、ホームやスクロールなど複数のボタンを配置するだけ。10キーやQWERTYキーボードは搭載せず、文字入力はすべてタッチ操作で行う。

 スマートフォンというとビジネス向けに思われるが、同機種はエンターテイメント機能も充実している。インターネット機能には、ブラウザに「Opera Mobile」と「Internet Explore Mobile」を標準搭載。表示画面の拡大・縮小やスクロールはタッチ操作で行うため、直感的な操作が可能。「YouTube」ボタンを用意し、動画コンテンツも楽しめる。下り最大7.2Mbpsの高速通信のほか、IEEE 802.11b/g対応無線LANやBluetoothなど、豊富な通信機能を備えた。

 また、本体には4GBの内蔵メモリを搭載し、音楽や動画の再生機能を搭載する。音楽ファイル形式は、WMA/MP3/ACCなどに対応し、動画はWMA/ASF/MP4/3GP/H.264ファイルに対応。そのほか、オートフォーカス/4倍ズーム内蔵の有効320万画素のカメラ機能を備え、静止画のほか動画撮影も可能だ。

●またも「100円」キャンペーン! ホントに「お得」なのか?

 スマートフォンとして十分な機能を搭載することはわかったが、ではどうしてこれほど売れているのだろうか。そこには、同社得意の販促キャンペーンが影響している。スマートフォンは携帯電話に比べ、高機能なこともあり端末価格も高い。そこで、イー・モバイルは高価なスマートフォンの初期費用を軽減させるための新プランと端末初期費用が「100円」になる期間限定のキャンペーンを実施した。

 通常、新規の長期契約なしで「Touch Diamond」を購入した場合、端末価格は6万3980円。そこで、2年契約を結んだ場合、端末価格は3万9980円になり、2万4000円が値引きされる。この値引き分は、割賦払いなど後払いするものでなく、ただ単純に値引きされる。端末価格が4万円前後になることで、他のキャリアの携帯電話とほぼ同等の価格に落ち着く。

 しかし、いくら値下がったとはいえ、携帯電話やスマートフォンに4万円を一括払いするのはまだ抵抗がある。そこで、イー・モバイルは3万9980円の端末費用をさらに軽減させる新プラン「新にねん+アシスト1600」を用意した。店頭で支払う初期費用を1580円にし、残りの3万8400円を月額1600円で2年間(24回)支払うことで初期費用を抑えることができる。(関連記事:イー・モバイル、「Touch Diamond」の初期費用が100円になる新プラン

 さらに12月31日までの間、EMnetメールや有料コンテンツの利用が可能なる「EMnet」サービスと「新にねん+アシスト1600」の同時加入をした場合に限り、初期費用が「100円」になるキャンペーンも実施している。

Touch Diamondの購入に掛かる初期費用
  ベーシック 新2ねん 新2ねん+アシスト1600
  EMnet同時加入
100円キャンペーン
Touch Diamond(S21HT) 6万3980円 3万9980円 1580円 100円
※イー・モバイルオンラインストア価格であり、販売店によって異なる場合があります
※別途、契約事務手数料が掛かります

 同社はこの夏、5万円程度のミニノートPCとイー・モバイルのデータカードとの同時加入で、ミニノートPCが「100円」になるキャンペーンで話題を呼んだ。今回は「100円」キャンパーンの第2弾ともいえる。「100円」という価格設定について、イー・モバイルの広報では、「他社の携帯電話の割賦制度による『0円ケータイ』と差別化を図りたかった」と説明。見慣れた「0円ケータイ」より、「100円ケータイ」のほうが消費者にとっては新鮮なのかもしれない。

 また、イー・モバイルの「Touch Diamond」は、自宅の通信モデムとしても活用できる特徴がある。PCと接続して同機種をモデム代わりにインターネットした場合でも、通信料は最大5980円の定額データプラン内で賄える。つまり、携帯端末とPC、どちらでインターネットした場合も通信料は定額というわけだ。これにより、PCのインターネット通信料と携帯電話のパケット料金で2重に掛かっていた通信料を一本化することができる。

 このように、機種の魅力や販促キャンペーン、そしてモデムとしても使えるキャリアの特徴が相まって、今の人気に繋がったといえる。また、同社ではスマートフォンの堅いイメージを避けるたけに「タッチケータイ」と呼ぶなど、イメージ戦略にも注力している。なお、同機種はNTTドコモとソフトバンクモバイルからも発売されることが決まっている。今後はイー・モバイルだけでなく、HTC製端末にも注目が集まりそうだ。(BCN・津江昭宏)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。