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大学院入試で成功する書類選考のポイントは? 具体的な準備は三つ

暮らし

2023/12/22 18:00

 【学び直しとしての大学院~社会人3年目からのリスキリング入門~・4】連載第4回目となる今回のテーマは「大学院入試の書類選考三つのポイント」です。受験に向けた具体的な準備に関して解説したいと思います。

書類選考が突破できないと次の選考に進めない

 大学院入試の選抜方法は、書類選考を第一ステップとし、その後に筆記試験や小論文、面接と続くのが一般的です。その多くが書類選考を突破することができないと次の選考に進めません。出願書類で入試担当者の心を掴まないと、直接会ってアピールする機会をもらえないまま門前払いとなるわけです。

 一口に出願書類といっても、その種類は多岐にわたります。代表的な例を挙げると、「研究計画書」「研究業績書」「推薦書」「成績証明書」などがあります。そのほかにも、例えば慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科(KMD)では、「回答書」が求められます。このように提出しなければいけない出願書類は、受験する大学院毎に異なりますので募集要項を必ずチェックしましょう。

 さて、第三者に作成を依頼する書類(推薦書や成績証明書など)を除き、受験生自ら書く必要のある書類については、注意しなければいけない共通点があります。そのポイントを外すと合格は一気に遠のきます。筆者は院試専門オンライン予備校「志樹舎」を主宰し、これまで数多くの受験生の出願書類作成をサポートしてきました。そこで、今回はその知見をもとに大学院入試の書類選考を突破するためのポイントを三つ紹介します。
 

ポイント1 リサーチ力

 ポイントの一つめは「リサーチ力」です。出願書類は自分の頭の中にある情報だけで作るものではありません。丹念な情報収集が不可欠です。もちろん、インターネットでキーワードを検索して1ページめに出てきた結果だけで判断してはいけません。十分な時間をかけて徹底的にリサーチしてください。

 また、インターネットのほか、図書館に出向いて最新の学術論文や書籍を読み込んだり、場合によっては専門家にアポを取ってヒアリングしたりすることも必要です。その際、自分にとって都合の良い情報だけを集めてはいけません。問題を俯瞰するためにも自身の主張と対立する考え方について、ていねいにまとめてバランスよく情報収集することが大切です。
 

ポイント2 論理力

 ポイントの二つめは「論理力」です。出願書類は論理的に書かなければなりません。読み手は教授や准教授といった教員、つまり学術研究者です。そのため、特に文章の論理性についてはシビアに見ています。感想や思いだけでは決して評価されません。受験生は、常に根拠の提示や論理の整合性を意識しながら書き進める必要があります。

 その際、自分で作った文章が論理的かどうかを確認するためには、自身の主張を疑ってかかることです。「本当に?」「なぜ?」を繰り返し自問自答するのです。そうすることで論理の穴や矛盾が見つけやすくなります。慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、このクセがつけば論理的な文章に仕上がります。
 

ポイント3 研究の新規性

 ポイントの三つめは「研究の新規性」です。新規性とは、つまり、「これまでの研究と何が違うのか」「どこが新しいのか」を明確にした点です。「どうやって説得力のある新規性を作れるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。新規性の示し方には複数の方法があります。例えば、「手法が新しい」「対象が新しい」「解釈が新しい」などです。

 ほかにもいくつかありますが、「ゼロから新しい発見を……」と考えると、難しく感じる人もいるでしょう。確かに、博士課程ともなれば、研究の大半に新規性が求められます。しかし、修士課程の場合、たった一つでも新規性が含まれていれば入試の段階では問題ありません。
 

面接で会ってみたいと思われる出願書類を作ろう

 以上、大学院入試の書類選考三つのポイントを紹介してきました。いかがだったでしょうか。これらを意識することで、入試担当者から「ぜひ、この受験生に面接で会ってみたい!」と思われる出願書類を作り上げることができるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。