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上新電機の2024年3月期第1四半期連結決算 ゲームや玩具は好調だったが、全体売上高は4.5%ダウン

経営戦略

2023/08/04 19:00

 上新電機の2024年3月期第1四半期(以下、1Q)の連結決算は、売上高が903億7700万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は10億9100万円(同21.5%減)、経常利益は10億7600万円(同22.8%減)で、親会社株主に帰属する当期純利益は6億2000万円(同38.9%減)。1Qは減収減益となった。

上新電機の2024年3月期1Qは減収減益

厳しい販売環境で各商品の売上が軒並みダウン

 この1Qはコロナ禍で需要が増加したことの反動減とさまざまな分野での物価上昇に加え、レジャー支出が増加。家電商品に消費が回りにくい状況だったといえるだろう。その結果、分野を問わず前年実績を下回る商品が多かった。

 テレビやビデオおよび関連商品は、いずれも前年同期から12%台の減少率となり、白物家電や調理家電なども前年割れ。エアコンも前年同期が大きく伸長したため、前同比では20.2%減と低迷した。情報通信分野でも携帯電話を除いて各商品とも前年2桁減で推移した。

 一方、非家電は好調で、ゲームや模型・玩具は前年同期比24.1%増。音楽・映像ソフトも同11.9%の2桁増となり、同社で分類している「その他」分野の売上高は同11.9%伸長し、売上高構成比は前年同期の24.3%から28.4%に上昇した。
 
エアコン売上高は前年同期から約30億円ダウン

粗利益率はアップしたが、販管費率は粗利益率以上に上昇

 売上高の前年同期比4.5%減に対して売上原価は同6.0%減と原価低減を実現。減収のため、粗利益増とはならなかったが、粗利益の減少率は売上高よりも低い0.1%減にとどまり、粗利益率はアップした。

 しかし、人件費や物流費の上昇で販管費は前年同期から1.1%増加したため、営業利益は同21.6%減。さらに営業外収益の減少と営業外費用の増加によって経常利益は同22.8%減少。特別損失は63.0%減だったが、特別利益も同92.1%減と大きく減少したため、当期純利益は同39.0%の減少となった。

 これらを経営指標で表すと、粗利益率は前年同期から1.2ポイントアップの27.4%。販管費率は1.5ポイントアップして26.2%となり、営業利益率と経常利益率はともに0.3ポイントダウンの1.2%。当期純利益率は0.4ポイントダウンして0.7%だった。
 
販管費率の上昇は各利益率のダウンにつながった

 第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期横ばいの1980億円で、営業利益は同2.3%増の42億円、経常利益は同2.0%増の42億円と予想。当期純利益は31億円で同3.1%増と増収増益予想である。
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