キヤノンの「iNSPiC PV-223」(左)と富士フイルムの「instax mini Link 2」
次いで売れているのが富士フイルムの「instax mini Link 2」。台数シェア23.2%とPV223とほぼ同様の売れ行きだ。今年7月発売の新モデルで、19年発売の前モデルからリニューアルした。同社のチェキシリーズの専用紙に印刷するプリンタで、サイズは縦62mm×横45mmの「instax mini」フォーマット。スマホとの連携で様々な機能を実現できるのが特徴だ。本体をスマホに向けて空中に描いた絵を一緒に印刷したり、専用アプリを使って写真の上に指で絵を描くこともできる。本体を傾けるとスマホに表示された撮影画像のズームインやズームアウトができる機能もある。
メーカーシェアでは、キヤノンが7割前後で推移し、富士フイルムが3割前後で追いかける、2社の寡占状態だ。足元で売り上げが伸びているのは2社の新製品発売によるところが大きい。さらに、写真印刷で新たなムーブメントをつくり出した、富士フイルムのデジカメ「instax mini Evo」の影響も大きい。印刷できるデジカメとして、昨年12月に発売。コンパクトデジカメ市場で、翌1月も含めた2カ月連続して機種別販売台数でトップシェアを獲得した。以降継続してTOP 10に入る売れ行きを維持している。こうした、紙に写真を印刷する楽しみを再発見できるカメラやプリンタは、一定の市場規模を維持しながら今後さらに拡大する可能性も秘めている。(BCN・道越一郎)