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ビックカメラ、「DX宣言」でセールスフォースとAWSを全面採用へ

 ビックカメラは6月13日、「ビックカメラOMO戦略」を推進するためにセールスフォースとアマゾン ウェブ サービス(AWS)を全面採用すると発表した。前フェーズとして基幹システムをAWSに移行した後、セールスフォースを活用したデジタル基幹化を目指す。
 

セールスフォースとAWSを全面採用するビックカメラ

 ビックカメラでは、デジタル技術の活用(DX)で2022年1月にデジタル戦略部を新設し、DX施策の検討を行ってきた。今回、パーパスである「お客様の購買代理人として くらしにお役に立つくらし応援企業であること」の実現に向けて「DX宣言」を発表し、「デジタルを活用した製造小売物流サーキュラー企業」を目指す。

店舗とECをシームレスに結合

 具体的には、店舗とECのシームレスな結合を通じて顧客体験を向上するOMO戦略を推進する。これにより、顧客はオフライン(店舗)とオンライン(EC を含めたデジタル)を意識することなく、希望のタイミングで自由に買い物を楽しむことができる。また、店舗とECの顧客情報を統合することで、より顧客一人ひとりにあったオススメ情報を提供する。

 さらに、「Salesforce Lightning Platform」 「BizRobo!(RPA)」「AWS」をプラットフォームにシステム開発の内製化を推進する。
 
「ビックカメラOMO戦略」のイメージ

 「Salesforce Lightning Platform」を活用したデジタル基幹化を目指し、既存基幹システム機能のマイグレーションを推進(ダウンサイジング)、コストダウンを実現する。その前フェーズとして、AWSのクラウド移行支援プログラムである「ITトランスフォーメーションパッケージ 2.0」を活用し、基幹システムのAWS移行を行う。

 同社では、セールスフォースを全面的に採用した理由について、セールスフォースのもつ「世界トップクラスシェア」と「CRMのベストプラクティス」を挙げる。既に導入済みの「Salesforce Service Cloud」と「Salesforce Marketing Cloud」を中心に、顧客基盤の整備、顧客接点の管理、オフライン(店舗)とオンライン(ECを含めたデジタル)をまたいだ顧客データ分析、顧客へのパーソナライゼーション・コミュニケーションなどを実現する。

 また、事業環境の変化に機敏に対応するために、「Salesforce Lightning Platform」を開発基盤としたシステム開発の内製組織を構築する。APIによるマイクロサービス化を実現する「MuleSoft」の導入も検討する。

 AWSとの連携強化では、AWSが提供する「ITトランスフォーメーションパッケージ 2.0」を新たに採用し、OMO戦略の根幹となるデータ活用基盤の整備を進めるとともに、AWS活用を自社で推進できる内製組織を構築する。

 今回の3社連携の取り組みとして、AWSが提供するクラウドコンタクトセンターサービスである「AmazonConnect」とセールスフォースが提供するAI実装CRM製品「Service Cloud Voice」の連携実証実験をスタートする。この二つの製品の組み合わせを通じて、コンタクトセンターでの顧客体験の大幅な向上を3社で目指していく。