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FCCLの「人を想うモノづくり」の最新形! 新しいPCのあり方を追求したFMV CHシリーズとFMV THシリーズ

家の中で気ままに持ち歩いて使う、新機軸のスタンダードノートPC

 FMV LIFEBOOK THシリーズは、2020年冬から登場した新しいラインアップだ。約18.4mmのスリムな薄さでありながら、15.6型の大画面を装備。新社会人から40代までを広くターゲットにした、イエナカでサッと使えるスタンダードノートだ。

 THシリーズの店頭モデルは、TH90/F3の1モデルのみ。Windows 11 Home 64ビット版を搭載し、「Office Home & Business 2021(個人向け)」もプリインストール。CPUインテル Core i7-1165G7プロセッサー(4.70GHz)、メモリは16GB、ストレージSSD 約512GB(PCIe)、ディスプレイはIGZOのスーパーファイン液晶となっている。本体カラーがインディゴブルーとアイボリーホワイトの2色展開だ。
 
15.6型のスタンダードノートPC「FMV LIFEBOOK THシリーズ」

 FMV LIFEBOOKには、AHシリーズという別の15.6型のラインが以前から存在する。AHシリーズは光学式ドライブを内蔵し、高性能なだけに本体の厚みや重量もそれなりにあるモデルだ。昨今、テレワークやオンライン授業が普及し、イエナカ向けでAHシリーズと同じ画面サイズながら、もっと軽量で取り回しやすいPCを求める声が高まり、そこに向けて用意されたのがTHシリーズというわけだ。

 このため、THシリーズはモバイルPCに引けを取らない薄型軽量化に取り組み、厚みは18.4mm、重量は約1.39kgを実現した。イエナカマシンとしてはかなりの軽量であり、15.6型としては国内ブランドで最軽量。リビング、個室、寝室など、場所を選ばず、屋内のどこへでも気軽に持ち運んで仕事や趣味に利用できるマシンになっている。バッテリ駆動時間は連続約15.6時間なので、ケーブルいらずで長時間作業ができ、テレワークやオンライン学習にも向いている。

ファブリックな質感のクロステクスチャーによる表面加工

 デザインへのこだわりは、THシリーズもCHシリーズに引けを取らない。CHシリーズのアースカラーのようなカラーリングとは異なり、THシリーズでは本体表面に「クロステクスチャー」と呼ばれる特殊加工を施した。クロステクスチャーは、見た目だけでなく表面の質感や形状まで、本物の布や織物らしさ(ファブリック)を醸し出す転写技術だ。
 
「クロステクスチャー」と呼ばれる特殊加工を施している

 FCCLの開発陣によれば、クロステクスチャーを採用したのは、女性の意見がきっかけだと言う。同社のユーザー調査で、「最近のPC(従来モデル)はメカメカしく、置きっぱなしにはしたいものの見えるところに置きたくない」という女性ユーザーの声の多いことが判明した。

 人を想うモノづくりのためには、見えるところに置きたくなる製品に挑戦するしかない。さまざまな検討の中から、「ファブリックに見せれば、持っていることでテンションが上がる、見えるところに置きたい製品になるのではないか」というアイデアが浮かび上がった。

 当初は本物の布を用いることまで考えていたものの、汚れたときに目立ってしまい、汚れも落としにくいことから別の方法を模索。デザイナーと技術部で喧々諤々を繰り返し、クロステクスチャーに辿り着いた。

 クロステクスチャーは、デジタルファブリックやOMR(アウトモールドリリース)とも呼ばれ、フィルムに付いているインクを製品に転写して蒸着する。これにより、まるで本物の布のような見た目と手触りを再現した。さらに表面にはUV加工を施し、汚れが付きにくく、たとえ汚れても簡単に拭き取れる製品が誕生した。
 
本物の布と違い、簡単に汚れを落とすことができる

 開発時は先にデザイナーが柄を作り、それに合わせて微細な凹凸やピッチを付け、柄と手触りのマッチングを何度も試行錯誤して、ちょうど良い感触に仕上げたという。凹凸は深くなりすぎると汚れが取りづらくなるため、機能性とのバランスが難しかったそうだ。

 TH90/F3の本体を細かいところまでよく見ていくと、天面やディスプレイの周囲だけでなく、キーボードの周辺やキーキャップ、本体側面にまで丁寧に転写しており、従来のPCにありがちなツルッとした表面とはまったく違う印象を受ける。

 このほか、THシリーズでは、2020年モデルからの変更点として、本体を差し込むだけで充電できる専用スタンドが、標準添付から別売に変更になっている。本体を閉じた状態でも、USB Type-Cをつなぐことで、充電しながらHDMI端子から外部モニターにPCの画面を映し出せるスグレモノだ。

ラインアップごとに深く掘り下げる、人を想うモノづくり

 FMV CHシリーズとFMV THシリーズにはFCCLの「人を想うモノづくり」の最新形が体現されている。「人を想う」とき、製品のターゲットの幅が広いとその製品について「深く想う」ことは難しくなっていくが、深く掘り下げるためにターゲットを細分化して、ラインアップを増やしすぎれば、コストに跳ね返ってやがて採算のバランスが取れなくなる。上手にターゲットを切り分けて、その範囲でニーズの最大公約数を汲み取って作り込まねばならない。

 FMVのラインアップは、流行やユーザーのライフスタイルの変化を追いかけながら変化し続けてきた。近年は27型大型デスクトップから教育向けタブレットまで含めた、かなり広めに幅を取ったラインアップになっている。これはまさにラインアップの一つひとつについて深く追求して「想う」ためになされた戦略といえる。

 日本の住環境や日本人のライフスタイルを深く研究するマーケティング能力と、寄り添うアイデアを生む企画力、それを形にできる技術力。部品一つひとつの選定からサポートまで徹底的にこだわることで育まれる、FCCLならではの「人を想うモノづくり」が伝わってくる。(ライトアンドノート・諸山泰三)

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