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液晶テレビでシャープが首位陥落、16年と21週連続のトップシェア記録途絶える

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2021/03/21 18:30

 液晶のシャープが、初めて販売シェア首位から陥落した。3月第1週(3月1~7日)の液晶テレビ販売台数シェアで、東芝(TVS REGZA)が21.2%と初の1位を獲得。シャープは21.0%と、僅差ながら2位にとどまった。BCNが液晶テレビの実売調査を開始した2004年10月第1週(10月4~10日)以来初めて。シャープが続けてきた856週、16年と21週の連続トップシェア記録が途絶えた。全国の家電量販店などの実売データを集計するBCNランキングで明らかになった。


 この3年の動きを月次シェアで振り返ると、シャープは下落トレンドが続いていた。18年に3割前後を維持していたが、19年2月以降3割を切り始め、昨年8月以降は25%を下回って推移している。一方、1割程度で低迷していた東芝は19年8月以降15%を安定的に上回るまでに販売を拡大。この1月は20.8%と、初めて2割を突破した。3月に入った週次シェアでは、第1週に続き、第2週(3月15~21日)も21.7%とトップシェア維持している。

 3月は、新生活需要が高まり、小さめのテレビが売れるなど、市場構造の変化がみられる月。とはいえ、価格の安さを武器に販売を伸ばしてきた東芝が、今年に入って伸び悩んでいるシャープを交わした格好だ。
 

 もともと、シャープと東芝の価格戦略は似通っていた。例えば、画面サイズ1インチ当たりの単価(以下、インチ単価)は、両社とも1500円から2000円弱の水準で推移していた。2000円から2500円と高めで推移するソニーパナソニック、1000円前後と低めで推移するハイセンスの中間の価格帯だ。

 ところが、19年の年末商戦から東芝のインチ単価がじりじりと下落。直近の3月第2週では1400円と過去最低を記録した。一方のシャープは1600円前後を維持しており、この差も販売台数に響いた。

 逆に平均インチサイズでは、シャープと東芝の動きはかなり異なる。18年では東芝が40前後だったのに対し、シャープは36前後と比較的小型が多い構成だった。しかし、直近では東芝は40弱であるのに対して、シャープが40前後まで大型化している。平均サイズが大きく変わらない東芝に対し、徐々に大型化してきたシャープという図式だ。
 

 昨年春から続いている新型コロナウイルス感染症の拡大で、巣ごもり需要が顕在化し、薄型テレビにはプラスの影響が出ている。液晶テレビは、高価格帯の有機ELテレビにやや押されつつあるものの、依然、存在感は大きい。販売台数では9割、金額でも8割弱を占める主流の商品だ。この1年の販売台数前年比は2桁増を記録する月が多かった。

 シャープと東芝で比べると、特に東芝の伸びが目立つ。増税前の駆け込み需要に伴う反動減に見舞われた昨年9月を除いて、全ての月で2桁増、最大で190%と前年比2倍の売り上げを記録している。

 16年に台湾の鴻海傘下に入ったシャープと、18年に中国のハイセンス傘下に入った東芝。液晶テレビ市場は、中華系資本の2社によるトップ争いが激化しそうだ。(BCN・道越一郎)

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