【なぐもんGO・64】この前まで使えたのに──。外食代をスマートフォン(スマホ)決済サービスで支払おうとしたら、その店舗で利用できなくなっていた。偶然、直前に銀行へ寄って現金を引き出していたため「無銭飲食」とならずに事なきを得たが、危ないところだった。近頃、こうした店舗をちらほら見かける。一体、何が起きているのか。

スマートフォン(スマホ)決済サービスが使えなくなっている店舗が散見される

スマホ決済の対応停止?

 筆者が訪れたのは、讃岐釜揚げうどんを提供する「丸亀製麺」。コロナ禍で在宅勤務を続けていたため、久しぶりの外食だった。日常的に通勤していたころは頻繁に訪れて、PayPayで支払う常連だった。ところが、丸亀製麺は5月にメルペイやd払いなどを含めたスマホ決済サービスの利用を一時中止。それを知らずに8月末に訪れたら、冒頭の事態に陥ったわけだ。

 中止した理由は、報道によると5~8月の期間に実施されたシステム改修のため。10月現在、丸亀製麺ではPayPayなどの様々なスマホ決済サービスが利用できるようになっている。手数料やオペレーションの複雑化が重荷となって利用を停止したのかと思いきや、使いやすくするための“一時停止”だった。

 一方で、キャンペーン期間の「お試し」だけで対応を終了する店舗もある。幸楽苑では、PayPayが2020年4月に実施した「全国の有名飲食チェーンが対象!春のグルメまつりキャンペーン」にあわせて対応を開始したが、4月末に終了。こちらは復活の気配もない。

 1カ月で対応を終了したことについて、幸楽苑ホールディングスの広報担当者は、「さまざまなサービスから当社に適したものを日々探している。その中で、PayPayのキャンペーンの話が出たので試しに導入し、経験を蓄積した。社内のシステムやスタッフの負担、お客様の利便性を考慮しながら、安心して使っていただけるサービスを引き続き検討していきたい」と試験導入だったことを明かす。いまだ乱立気味の状況がハードルになっているようだ。

入店前に要チェック

 スマホ決済のなかでも高い知名度を誇るPayPayの6月時点の加盟店舗数は230万か所以上で、今も増え続けている。ただ、PayPayの広報担当者によると、「大手企業では手数料だけを理由に対応を終了した事例は聞かない。対応を終了した企業によって事情は異なる」という。

 このほか、天下一品のように同じチェーン店でも対応している店舗としていない店舗がある。店舗側がバーコードを掲示する決済方式なら、オペレーションが煩雑だったり、使う人がごく少数だった場合には、バーコードを掲示しないだけで対応を中断することもあるようだ。

 その際は、対応停止の告知をチラシやSNSなどで行うはずなので、スマホ決済を使う前提で出かける際は、よく行く店舗であっても入店前にちらっと確認しておきたい。あと、いざという時のために数千円の現金も持っていた方が安心だ。(BCN・南雲 亮平)