【家電コンサルのお得な話・18】 新型コロナウイルスの感染拡大は、多方面の業種の経営を揺さぶっている。今回は、企業研修を業務としている、筆者の友人である研修講師のAさんから聞いた、少し寂しげな給付金と税金の話をご紹介したい。連載の趣旨とは少し異なるが、「ちょっと、それはないでしょう」と感じている中小企業経営者や個人事業者は多いと思うので代弁したい。


 Aさんは、PC関連機器メーカーの企業内研修を請け負っているが、新型コロナの流行で2月からの研修スケジュールが全て白紙となり、前年比90%減の厳しい状況が続いているという。

 そこで、持続化給付金(個人事業者100万円)の申請を行ったところ、5月半ばには給付があったとのこと。「これでしばらくは凌げる」とホッとしたのも束の間、1週間も経たない間に消費税が引き落とされて、持続化給付金のほぼ全てがそれで消えたそうだ。

 しばらくして、今度は市が20万円の補助金を給付するというので申し込んだそうだが、こちらも給付前に無情にも20万円を遥かに超える住民税の納付書が市から届いた。新型コロナによる猶予措置もあるが、いずれは払わなければならないため、Aさんは無理して納付を選択したとのこと。

 「なぜ、税金分のお金を残していないの?」と思うかもしれないが、筆者の中小企業・個人事業者の支援経験では、Aさんのように、ほとんどが今年の稼ぎの中から税金を支払っており、これが多くの実情といえるだろう。

 しかもAさんの場合、昨年までの事業が好調で所得も多かったため、国民保険料が毎月9万円近くあるという。給付金が全て税金に消えるどころか、手持ち資金の持ち出しで圧迫されている。

 この状況を聞き、Aさんに国民健康保険料の減免措置があることを説明した。国民健康保険料も昨年の所得がベースに計算されるため、新型コロナで今年の業績が大幅に下がった場合、審査を経て保険料を減額してくれたり、免除してくれたりするのが減免措置である。今まで事業が好調だったAさんは、減免措置の存在を知らなかったため、喜んでもらうことができた。
 

 今回のように、減った収入分の補てんという位置づけで受けたつもりの給付金が、全てスライドして税金に消えていくのは寂しい話で、中小企業や個人事業者の心が折れてしまうことを危惧する。

 有事ともいえる厳しい状況だからこそ、税金と保険料を免除して支出を止めて、すぐに実行できる期間限定の消費減税を政府には検討してもらいたい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)



■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。