「半ば強制的に始まったテレワークが急速に浸透してノートPCが受け入れられている。通常の400万台の市場が1000万台になるだろう。ポテンシャルは無尽蔵にある」――。NECパーソナルコンピュータの河島良輔執行役員は、6月16日にオンラインで開催した新製品発表会の中で、新型コロナウイルス環境下のテレワークやテレスクールによるノートPCの旺盛な需要に驚きを隠さなかった。

NECパーソナルコンピュータの
河島良輔執行役員

 昨年5月に発売した同社のノートPCの上位モデル「LAVIE Pro Mobile」の販売台数(2020年1~3月累計)は、Hybrid ZEROよりも1.3倍の伸びで推移した。また、LAVIE Pro Mobileの販売台数で新型コロナ前(19年11月~20年1月)と、新型コロナ後(20年2~4月)を比較すると、コロナ後の方が2.7倍も大きく伸びたという。

 河島執行役員は、「コロナ前はWindows 7のEOS(延長サポート終了)による駆け込みで需要がピークだった。(直近3カ月は)そこからさらに2.7倍という驚異的な数字だ」と語り、EOS後は需要が下がると読んでいたが、「誰もが想定しなかった、びっくりする需要増が発生した」と想定外の需要であるとの認識を示した。
 

 また、同社が3月21、22日に実施したPC仕事利用者約2万1000人のテレワーク実態調査では、テレワークを使って働いた経験が「ある」と答えたユーザーが14%だった。調査時期が緊急事態宣言直前だったため、「その後の実態としては3、4割だろう」(河島執行役員)と、さらに増えていると分析する。

 一方で、テレワークを推進するには「会社組織の制度」「通信インフラ」「カルチャー」の三つのハードルを超える必要があると指摘する。
 

 意外だったのが、テレワークで使っているPCの55%が会社支給と想定よりも低かったこと。従業員1000人以上の大手企業は7割が会社支給だが、100~1000人未満が53%、100人未満が35%と、中小企業になるにつれてその割合が下がっていく。

 そのため、個人購入のPCを使っているユーザーが22%、会社支給と個人購入を併用しているユーザーが23%と高く、これがコンシューマPC市場の需要の伸びに直結していることが考えられる。よく「テレワークは会社支給の法人市場ではないのか」との見方があるが、調査から約半分はコンシューマ市場のノートPCが動いていることを示している。
 

 今後のトレンドについて河島執行役員は、「テレワークは一過性のものではない」と語った。調査でも、テレワークの満足度が85%と高く、新型コロナが収束した後も通勤時間の削減や育児、家族との時間、働く場所を自由に選べるなどの理由で定着していくと予想する。

 さらに、国内でようやく動き出したテレスクールも浸透することで、今後は家庭内のPCが足りなくなってくるという課題が生じると見る。
 
「LAVIE Pro Mobile」のPM950/SA、PM750/SA、PM550/SA

 同社では、本来のテレワークのニーズである外出先や移動中、自宅など、さまざまなシーンで作業できるノートPCが主流になるとし、新製品「LAVIE Pro Mobile」のPM950/SA、PM750/SA、PM550/SAには、軽量性のモビリティや生産性、セキュリティのほか、新たにオンラインミーティングの使い勝手などを進化させた機能を搭載している点をアピールする。

 今年度の市場の見通しについては、「第1四半期は前年同期比16%減と想定していたのが、25%増になりそうだ。これは、家電量販店の販売台数なので、これにさらにオンラインが加わる。上半期は強い需要が続き、年度でも全体でプラスになるだろう。しかし下半期は購買サイドで失業などの問題もあるため未知数な部分がある」と語った。ノートPC市場そのもののポテンシャルは高いものの、新型コロナの第2波の状況などに応じて先行きの不透明感が変動するとする。