東日本旅客鉄道(JR東日本)は3月14日、JR山手線の品川駅と田町駅の間に、新駅「高輪ゲートウェイ駅」を開業した。山手線の駅としては「西日暮里駅」以来、約49年ぶりの新駅で、30番目にあたる。自律移動型の案内・警備ロボットや無人AI決済店舗など、省人化に向けた数々の先進的な取り組みが大きな特徴だ。

山手線30番目の駅「高輪ゲートウェイ駅」

 改札がある2階のテラス部分には、天井に敷き詰められた50台ほどのカメラが商品を認識して無人で決済できる売店「TOUCH TO GO」が入った。商品を手に取ってからルートに沿って進むと、持っている商品一覧がレジの画面に表示される。商品を確認して交通系ICカードで決済すれば、買い物は完了。同じく省人化を目的としたセルフレジのように、商品を利用者が読み取る必要はないので、手軽に利用することができる。
 
無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」

 また、警備や清掃、周辺設備の案内など、それぞれ役割の異なる数種類のロボットを導入している。AIを搭載しており自律移動する。駅のいたるところに設置されているセンサーで人の動きを把握し、混雑時には人の流れを妨げない場所に自動で移動する。
 
テラスで活躍する予定のロボットたち

 このほか、トイレの鏡がサイネージになっていたり、高さ約5×幅14mの大型スクリーン「鉄道テラスビジョン」が設置されていたりと、駅の設備だけでも見どころは満載だ。車いすの利用者や子どもがICカードをタッチしやすいよう、読み取り部分が斜めに設置された「タッチしやすい自動改札機」を見ることができる駅でもある。
 
タッチしやすい自動改札機を2台設置している

 木目調の壁や床、吹き抜けのホームなど、デザインもユニーク。テラスからは、近辺に建物が見当たらない今ならではの景色も堪能できるだろう。

 開業後は混雑が予想されるため、しばらくの間、構内店舗の営業や各種施設の開業は見合わせるとしている。ただ、スターバックスやTOUCH TO GOは3月23日オープンする。自律移動型ロボットの稼働状況を見ることができるのは3月中旬からだ。鉄道テラスビジョンの動画は4月1日から放映する。タッチしやすい自動改札機でQRコードの試験を開始するのは5月11日からとしている。
 
4月までは静止画を映し出す鉄道テラスビジョン

 また、オープンを記念したイベントは新型コロナウイルス感染症の拡大をおさえるために延期。一部、4月スタートの実証実験も延期を発表している。

 3月14日の開業はあくまでも暫定。駅周辺や構内には、工事中の箇所が散見され、駅からは高輪・泉岳寺方面にしか出ることはできない。2024年度をめどに本格開業を目指しているが、現段階でも田町駅や品川駅の混雑解消に一役買いそうだ。