• ホーム
  • トレンド
  • テレビの年末商戦は「腰折れ」、12月最終週に向けて「弾み」つかず

テレビの年末商戦は「腰折れ」、12月最終週に向けて「弾み」つかず

 【BCN速報値】テレビの年末商戦の12月第1週と第2週は、2018年12月に実施となったPayPayキャンペーンの反動減の影響を受けて前年割れになったものの、第3週、第4週に向けて回復する傾向にあった。しかし、PayPayの影響を受けない第3週(12月16~22日)の伸びは弱く、前年同週比99.3%となり前年を割った。最終週の12月第4週は、昨年より休日が1日少ない分、大きな伸びは期待できそうにない。テレビ市場は駆け込みの反動減からの回復に、なかなか弾みがつかない。


 年末商戦の終盤戦に向けて追い込みが期待されていた12月第3週だったが、全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」の速報値は99.3%となり、0.7ポイント差と、あと一歩のところで前年をクリアできなった。昨年のPayPayの影響を受けない週だったことから前年越えは固いと思われていただけに、業界関係者の落胆も大きそうだ。

 腰折れ感がハッキリ出ているのは、前回増税時の13年12月第1週を100としたときの指数推移を示す下の棒グラフ。11月第2週から4週連続で順調に上向いていたが、12月第3週は前週の121.1から17.4ポイントダウンの103.7に急落した。

 例年、テレビの販売台数は12月最終週にピークを迎える。青色で薄く網掛けした13年12月第2~第5週の動きは、まさにその傾向を分かりやすく示している。しかし、今年の赤色で薄く網掛けした箇所では、12月第3週の棒グラフが前週よりも下がっていることが分かる。

 気になる12月第4週(12月23~29日)はどのように着地するのだろうか。BCN総研の木下智裕部長は、「昨年より祝日が1日少ないため、前年割れになるだろう。一方で、PCはWindows 7のサポート終了に向けて好調で、そちらに食われている印象もあるが、年末年始は前年並み程度の販売を期待したい」とコメントする。

 5月1日に新しい天皇陛下が即位し、新たな天皇誕生日が2月23日となり、平成の30年あまり続いた12月23日の祝日は平日に変わった。そのため、12月第4週は昨年より休みが1日少ない。最終週に向けて弾みをつけられなかった12月第3週の影響が尾を引きそうだ。(BCN・細田 立圭志)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからPOSデータを通じてスマートフォンやデジタルカメラ、4Kテレビなどの販売台数・金額データを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。