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スマホが買い物カゴ? 新生「渋谷PARCO」がリアルとデジタルの交差点に

オピニオン

2019/11/24 17:00

【なぐもんGO・39】 約3年の改装工事を経て、11月22日に新生「渋谷PARCO」がグランドオープンした。ニンテンドートウキョウやポケモンセンターシブヤなど、注目を集める店舗が目白押しだが、今回、目を向けるのは買い物を助ける数々の新たなテクノロジー。なかでも、来店客のスマートフォンが買い物カゴになる「PARCO CUBE」は、リアルとデジタルの融合を実現しようとしていた。

「PARCO CUBE」でキーとなるのはデジタルサイネージとスマホだ

 渋谷PARCOの5階に位置するPARCO CUBEは、130坪程度の売り場に11店舗が入居。ファッションやスマホアクセサリーといった多彩なジャンルの店舗がひしめく。どの店舗にも共通するのが、四角い格子状の壁で区切られていること、10坪前後で展開していること、そして同じデジタルサイネージを設置していることだ。
 
PARCO CUBEのエリアはわかりやすいように規格が統一されている
 
各店舗に設置されているサイネージ

 このサイネージはタッチ操作対応で、店内の壁面に埋め込まれる形で設置されている。画面には、設置されている店舗の商品が表示されており、商品詳細の確認や検索が可能だ。一見、よくあるデジタルサイネージに思えるが、このデジタルサイネージの真骨頂は、画面両サイドのQRコードにある。
 
サイネージの両サイドのQRコードをスマホで読み取る

   記者がQRコードを自分のスマホで読み取り、Webサイトに飛ぶと、サイネージとスマホが連携。サイネージ上で気になった商品をタップし、続けて「カートへ入れる」をタップすると、スマホで表示しているWebサイトに商品データが転送されてきた。この商品は、そのままECサイト「PARCO ONLINE STORE」で、購入することができる。まるで、スマホが“買い物カゴ”になったような体験だ。
 
気になった製品をサイネージからスマホのカートに入れることができる

 各店舗には在庫があるので、その場で買い物をすることができる。しかし、いくつもの店舗を回って買い物をする場合や、10坪ほどの小型店舗だけに在庫がない場合なども考えられる。そうした際にサイネージとスマホを連携すれば、大きな荷物を持つことも、購入を諦めることもなくなる。商品が手元に届くまでに時間はかかるが、後の予定がある人や身軽で過ごしたい人にとっては助かる施策だ。
 
5階のエレベーター脇には「PARCO CUBE」内店舗の商品を
一括で参照できるサイネージが設置されている
 
 また、PARCO CUBEのメインストリート正面には、11店舗の商品全てを表示しているサイネージがある。各店舗で気になる商品を手に取って確認した後に、まとめてカートに入れて購入する使い方もアリだ。パルコの購入特典がほしい場合にも、PARCO ONLINE STOREと手軽に連携できるサービスはありがたい。店頭で商品を確認しながら、手元のスマホでオンラインストアを開くという買い方よりも、シームレスにECとリアル店舗を結びつけている。(BCN・南雲 亮平)