500万人突破のメルペイ、独特なユーザー属性が成長のカギ

経営戦略

2019/11/21 17:30

 メルペイは、加盟店向けのイベント「メルペイパートナーサロン」で、消費税率引上げ前後のキャッシュレス利用の動向とスマートフォン(スマホ)決済サービス「メルペイ」の利用状況を紹介した。

メルペイの利用者は10月時点で500万人を突破している

メルペイの近況と加盟店の要望

 メルペイは、2019年2月に非接触決済サービス「iD」を利用したスマホ決済としてスタート。9月時点で利用可能なのは全国170万カ所と、さまざまな業種に広がってきている。このうち、90万カ所がiD決済対応、残りが3月に対応を開始したコード決済対応の店舗だ。
 
広がるメルペイの加盟店

 ユーザー数は、10月時点で500万人以上になっている。初めて利用した人の継続利用率は78%。メルペイの金高恩執行役員VP of Sales&Business Developmentは、「比較的、定着率は高い」と分析する。

 メルペイの特徴は、10~30代の利用が中心で、女性が過半数を占めている点。フリマアプリ「メルカリ」のユーザー属性と似通っている。30代の金融リテラシーが高い層が利用している他社のペイメント事業と比べると、構成比が真逆で、独特なユーザー属性がメルペイの強みだ。今後、このユーザー属性を生かした施策が決済サービス市場で勢力を広げるカギになりそうだ。
 
メルペイ独特のユーザー属性

 消費税率が引き上がった10月からは、国の補助金事業「キャッシュレス・ポイント還元事業」の対象になっており、利用の拡大が期待されていた。実際に、還元事業の対象加盟店で9月と10月の実績を比較すると、1日の平均決済金額・回数が約1.6倍に上昇している。メルペイの加盟店を対象に実施した調査では、約6割の加盟店でキャッシュレス比率が上昇しているという。
 
ポイント還元事業の効果は出ているとした

 利用の6割を占めるのが、3000円以下の少額決済だ。特に、1000円以下の会計が4割近くを占め、メルペイが配信している日常使いを促すクーポンの効果が出ているとした。また、メルカリの売上金をそのまま買い物で利用できる点も、ポイントを使う感覚で買い物をしてもらえると好評だそうだ。

 現在、メルペイは消費税率引上げにともない消費を促進するため、加盟店向けキャンペーンを実施している。20年3月までに申し込んだ加盟店を対象に、決済手数料を0%に設定するほか、還元金額の5%のキャッシュバックするというものだ。20年6月まで実施しているが、還元総金額が10億円に達したら期限を待たずに終了する。