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eBayと中古買取ベンチャー「ウリドキネット」、越境ECの価格データ活用で業務提携

販売戦略

2019/09/26 20:30

 米EC大手eBay(イーベイ)の日本法人イーベイ・ジャパンと、一般ユーザーが中古品をプロの査定士に査定して買い取ってもらうプラットフォーム「ウリドキ」を展開するウリドキネットは9月26日、越境ECの価格データなどの活用による業務提携で記者会見を開催した。

握手するウリドキネットの木暮康雄代表取締役と
イーベイ・ジャパン ビジネス開発部の岡田朋子部長

 ウリドキネットは2014年設立のスタートアップ。ウリドキの仕組みは、一般ユーザーがスマートフォン(スマホ)で自分の持っている売りたい商品情報を入力すると、プロの査定士などを抱える約3000の買取店の複数店から査定が届く。気に入った査定士を選ん取引が完了したら相互に評価するサービス。ウリドキネットは、両者の取引が成立した際の手数料を収入にする。
 
ウリドキの出品から査定までの流れ

 メルカリやヤフオクなどCtoCの中古ネットサービスとの違いは、商品の取引価格が高いこと。130万円の高級腕時計ロレックスや15万円のシャネルのバッグ、112万円の高級酒ロマネ・コンティのほか、PCやデジタル一眼カメラなどが実際に取引されている。

 ウリドキネットの木暮康雄代表取締役は「国内のリユース市場は年々伸びていて2兆円の市場規模だが、別のデータでは年間7.6兆円の不要品が家庭に眠っている。一方で日本人の約6割がモノを売った経験がない」と語り、リユース市場はまだ5.6兆円の潜在需要があり、未経験の個人も多いと指摘する。
 
ウリドキの出品から査定までの流れ

 一方でイーベイ・ジャパンは、国内企業の越境ECを支援する事業を展開する。ビジネス開発部の岡田朋子部長は「古物商のライセンスや店に常駐の査定士を抱える日本固有の中古ビジネスは、海外から高く評価されている。そのため、国内よりも高い価格で取引されるケースが多い」と語り、リユース市場は国内だけでなく越境ECでもニーズが高いことを説明する。

 イーベイ・ジャパンで日本から売られている商品は売り上げベースで中古が6割を占め、カテゴリーではハイブランドの中古商材や世界に知られている日本ブランドの商材、オタクや骨とう品など日本発のカルチャー商材などが多いという。
 
イーベイの越境ECでも日本の中古ブランドは人気が高い
 
日本ブランドは海外で人気が高く取引価格も高い

 今回の業務提携では、グローバルの「eBay.com」の実際の取引価格情報をウリドキに表示することからスタート。査定士にとっては、国内ユーザーから買い取った中古品の海外相場がウリドキで簡単に把握できるようになる。

 これまで海外の価格相場の把握が手間となり越境ECに躊躇することが多かった査定士にとっては、eBayで海外で高く売れることが分かれば、海外販売に活路が見いだせる。なお、ウリドキで買い取った商品をeBay.comに出店するまでのスマホ上でのシームレスな連携は、今後の取り組みとなる。

 木暮代表取締役は「国内だけで中古品を売り買いするのではなく、越境ECで海外に販売することができれば外貨の獲得につながり、結果的に日本経済の活性化にもつながる」と、eBayとの業務提携に意欲を示した。(BCN・細田 立圭志)