不動産経済研究所は8月15日に、首都圏1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の新築分譲マンションの1戸あたりの価格、専有面積の中央値を集計し、それぞれ平均値と比較した結果を発表した。その調査結果から、専有面積を中心に、新築マンションの現状を分析する。なお、価格・面積の中央値の調査は2016年11月に続き、2度目となる。

分譲価格は一段と上昇 中央値は5399万円

 2019年上半期(1~6月)の1戸あたりの価格は、都心部の高級タワーマンションの発売などによって一段とアップした。平均値は6137万円となり、1991年以来、6000万台を突破。前年同期(5962万円)と比較すると175万円、2.9%の上昇となった。一方、1戸あたりの価格の中央値は5399万円で、前年同期(5288万円)と比較して111万円、2.1%の上昇と、上昇率は低く、平均値との差は738万円だった。

専有面積は下げ止まり? 平均値67.69に対し、中央値は70.25平方メートル

 専有面積の平均値と中央値の推移を見ると、2009年~14年は差が一貫して縮小しており、14年には0.05平方メートル差で、平均値(71.16平方メートル)のほうが中央値(71.11平方メートル)よりも広くなった。
 
首都圏新築マンションの専有面積の推移
(2009年~2018年、2017年上半期~2019年上半期)

 しかしその後、平均値は中央値以上に縮小し、15年には70.80平方メートルと再び中央値(71.21平方メートル)より小さくなると、18年には67.58平方メートルまで縮小し、70平方メートル台を保っている中央値との差は2平方メートル以上まで拡大した。

 19年上半期の専有面積の平均値は67.69平方メートル。前年同期と比較して0.48平方メートル、0.7%縮小し、中央値も70.25平方メートルと前年同期と比較して0.11平方メートル、0.2%縮小したものの、平均値より縮小幅は小さく、平均値との差は2.56平方メートルに広がっている。

 不動産経済研究所では、新築マンションの専有面積は、価格抑制の影響を受け、今後も、平均値、中央値ともに縮小傾向は変わらないものの、最先端の設備仕様が特徴のオリンピック選手村跡地の物件「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の専有面積が平均80平方メートル台と広いことから、一時的にその傾向に歯止めがかかる可能性があると分析している。
 
販売中の「HARUMI FLAG」の公式サイト

 「HARUMI FLAG」を含めても平均値、中央値の縮小が進んだ場合、収納場所を取る季節家電や大型家電や衣類などを極力保有せず、必要な時だけ利用するレンタルやシェアリングサービスのニーズが高まるとみられ、その場合、小売業を筆頭に、さまざまな業界に影響するだろう。