国土交通省は、「今年春に引越をご予定の皆様へ~お知らせとお願い~」と題し、大手引越事業者から予約状況の聞き取りをもとにした「繁忙期カレンダー」を3月1日に公開した。ヒアリングした2月17日時点で、すでに3月下旬の金土日の3日間は「非常に混雑」のステータスとなっており、1カ月ほど経った現在、さらに予約状況はひっ迫していると推察される。

引越事業者から予約状況の聞き取りをもとにした「繁忙期カレンダー」
(2019年2月17日時点)

 3月の引っ越し繁忙期は、家電量販店、特にスマートフォン売り場の混雑予測と一致する。各メディアを通じ、省庁から「繁忙期を避けて」と呼びかけられても、幼い子どもがいる場合、引っ越しや新しい携帯電話の購入は、入学・進学にあわせた3月下旬が最も都合がいい。特に学区が変わる場合、いくら引っ越し代がかさんでも、4月中旬以降に後ろ倒しはできないだろう。
 
3月の引っ越し繁忙期は、家電量販店、特にスマートフォン売り場の混雑予測と一致する

 認可保育園・子ども園は毎月入園を受け付けているものの、欠員が出たら受け入れ可能というだけで、事実上、入園時期は4月のみだ。待機児童問題の解決のため、定員増に加え、年に2~3回の入園式など、入園時期の多様化を進めて欲しいと願う。
 
「首相官邸」で公開されている待機児童数。
都道府県別にみると、東京都が突出して多く、待機児童問題は自治体間の格差問題ともいえる

引越し時にも役立つクラウドストレージの物理版「宅配型トランクルーム」

 デメリットばかりと分かっていても、やむを得ず春に引っ越す場合、各社の「宅配型トランクルームサービス」や「家電・家具レンタルサービス」などを一時的に利用し、まずは最低限のものだけを自身で新居に持ち込む「段階的引っ越し」を提案したい。

 業者に頼まない、自力の引っ越しを手助けしてくれるサービスとして頻繁に取り上げられるヤマトホームコンビニエンスの家具・家電輸送サービス「らくらく家財宅急便」も、今年は3月16日から4月7日までの引っ越しシーズンでは例年以上の取り扱いを想定しているといい、こうなると単身者は、PC、スマートフォン、テレビはもちろん、今や家電にも欠かせない無線LAN(Wi-Fi)環境までセットになった家具・家電付き賃貸住宅を選んだほうが手間がかからず合理的といえるかもしれない。
 
家具・家電付き賃貸住宅なら引っ越しの悩みはない
(写真は、レジデンストーキョーのサブスクリプション型住宅第1弾「笹塚テラス」の部屋イメージ)

「コスパの良さ」には「配送」も含まれる

 通常は「最安値の店舗で買うと最もトク」だが、繁忙期や各種プレゼント・ギフトに限ると「希望した日時に手に入れられる/配送してくれる販売店・オンラインショップ」が好ましい。家電量販店各社は今春、「PayPay」を筆頭に、スマートフォンを使ったバーコード決済の利用者向けにポイントアップキャンペーンや対抗キャンペーンを展開しているが、もし、配送やアフターフォローをなおざりにしているようなら、一過性の「キャンペーン特需」で終わってしまう。今の過熱した状況は、かなり危ういラインで成り立っている感じが否めない。

 今後も毎年、引っ越し難民が生まれる状況が続くなら、「業者を使わないと移動できない大型家電・家具の購入はリスク」とみなされるのではないだろうか。そのリスクを回避する、家電・家具のレンタルサービスや、自宅に必要以上の広さが不要になって、個々のアイテムの管理しやすいクラウドストレージの物理版である宅配型トランクルームサービスのメリットは、もっと知られるべきだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)