【パリ発】自動車や自転車など乗り物のシェアリングサービスは、日本でもだいぶ一般的になってきた。今年はさらに新たな乗り物がそのトレンドに加わりそうだ。それが、シェア電動スクーター。電動のキックボードで、欧米では近年、一気に拡大している。

 世界で最も観光客が訪れるフランス・パリもシェア電動スクーターが大流行している都市の一つ。3月末に訪問した際には、米Lime社が展開する「Lime-S」が街を疾走する光景を何度も目にした。
 
現在、パリでは大量のシェア電動スクーター「Lime-S」が街を疾走している

パリを席捲中の「Lime-S」 観光客も利用可能

 「Lime-S」がパリでサービスを開始したのは2018年6月とまだ日は浅い。パリといえば、シェア自転車「Velib(ヴェリブ)」が有名だが、3月時点ではすでにLime-Sの勢いが上回っているように感じた。小回りがきく電動スクーターは、スモールシティであるパリでは自転車より向いているのかもしれない。

 Lime-Sはレンタルから決済、返却まで全てアプリ上で完結する。このため、まずは自分のスマートフォンにアプリをインストールし、アカウントを作成する必要がある。アプリのインターフェースは英語で、日本の端末でもインストールが可能。国際免許の所持とヘルメッド着用は必須だが、観光客でも利用することができる。
 
レンタルから決済、返却までアプリ上で完結。近場のステーションや
レンタル可能な電動スクーターを探すこともできる

 アプリでハンドル部のQRコードを読み取ると、スマートフォンと電動スクーターが紐づけられ、ロックが解除される。操縦はハンドルに備わっているアクセル代わりのレバーとブレーキで行う。いきなりレバーを入れるのではなく、少し地面を足で蹴って助走をつけるのがコツだ。時速は最高で25km程度。結構、スピードが出るので最初は戸惑うかもしれない。
 
スマホでQRコードを読み取り、ロックを解除。
スマホと電動スクーターが紐づけられる

 街中にステーションがあるが、路上に乗り捨てることもできるので、不要になったらすぐに放置できるのも便利なところ。駐車した場所をスマホで撮影してアプリでサーバーに送信。承認されれば、自動で決済される。もちろん一時的にロックして駐車することも可能だ。
 
不要になったら、路上に乗り捨てOK。
駐車した写真をサーバーに送信して、承認されれば決済される

 料金は1回ごとに1ユーロ、1分ごとに0.15ユーロ。圧倒的に安いかといわれると微妙なところだが、観光スポットが狭いエリアに点在しているパリでは最も効率の良い乗り物といえるだろう。

日本に上陸した「WIND」 浦和美園で運用を開始

 現在、日本でシェア電動スクーターを体験できるのが、埼玉県のさいたま市・川口市エリアだ。ドイツ・ベルリンに本拠地を構えるWind Mobilityの日本法人が3月29日にシェア電動スクーターサービス「WIND」 のステーションを埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線 浦和美園駅改札外に設置。15台程度を導入し、運用を開始した。
 
シェア電動スクーターサービス「WIND」が3月29日に埼玉県で運用を開始

 料金は初回の解錠に100円、25円/分。パリのLime-Sと同等の価格帯だ。今後、850円/時間、2000円/日のレンタルプランも導入予定だという。原付扱いとなるため、Lime-S同様に運転免許の所持やヘルメット着用は必須。乗り捨てはできず、返却時はステーションに戻す必要がある。
 
「WIND」利用の手順

 今後はWINDだけでなく、海外で実績のあるさまざまなサービスが日本市場に参入してくるとみられるが、果たしてどのような進化をみせるのか。都内に住んでいると、せっかく取得した免許を使う機会がないという話をよく聞くが、もしかするとシェア電動スクーターがその価値を高めてくれるかもしれない。