【上海発】中国で1月1日、電子商務法(電商法)が施行された。海外で商品を購入し、中国国内で販売する個人の代理購入者を規制することが盛り込まれており、日本での中国人による“爆買い”に影響する可能性がある。(上海支局 齋藤秀平)

 中国商務部によると、中国国内の電子商取引の市場規模は年々、拡大しており、2010年に4兆5500億元だった取引額は、2017年には29兆円1600億元に達した。内訳は、個人対企業の取引が60.2%で、個人間の取引が39.8%だった。また、中国産業研究院によると、中国のインターネットショッピングのユーザー数は、18年上半期は約5億6800万人で、17年末から約3500万人増えた。
 
免税での買い物を呼び掛ける日本国内の店舗

 電子商取引の市場拡大に伴い、台頭したのが個人の代理購入者だ。中国メディアの第一財経によると、代理購入者は、決まった店舗は持たず、SNSを使って商品を販売するのが一般的だ。17年の代理購入の市場規模は約6835億元で、代理購入の業界で就業する人の数は約2018万人に上るという。

 個人の代理購入者の販売網を利用することで、消費者は海外の商品を安く買えるメリットがあった。しかし、偽物を買わされるなどのトラブルが起こり、当局の管理が行き届きにくい面もあった。そのため、中国政府は、無許可での代理購入を電商法によって禁止し、違反者に対して5万元から最大200万元の罰金制度を設けた。

 電商法では、海外の商品を中国で販売する場合、電子商務経営者として当局の許可を得た後、インターネット通販サイトなどのプラットフォーム上で取引することが義務づけられた。電子商務経営者に対する納税義務もある。一方、「少額」であれば、許可を得ずに個人で取引活動をすることが認められている。ただ、電商法には金額の基準はなく、家族や友人の依頼を受け、日本で“爆買い”した中国人旅行者が規制される可能性がないとは言い切れない。

 日本で活動するある代理購入者は、日本国内の店舗で化粧品や日用品などを購入し、中国のSNSアプリ「WeChat(ウィーチャット)」で宣伝、モバイル決済サービスで代金を受け取る方法で販売していた。電商法の施行を受けた対応について「いったん代理購入はストップして、しばらく推移を見守る」とBCNの取材に話した。

 第一財経は「今後、中小規模の代理購入者はビジネスを放棄し、大規模な代理購入者に吸収される」と予想し、「より大きくなった代理購入者は、新たに会社を設立し、しっかりと政府に税金を払うようになる。これまでよりも利益が少なくなるため、販売する商品の量を増やして儲ける道を探すことになるだろう」とみる。