【北京発】米グーグルが投資した中国企業として注目された出門問問(Mobvoi、モブボイ)が、人工知能(AI)と音声認識を活用した製品の開発に力を入れている。スマートウォッチのTicWatchシリーズなどを展開し、2018年は日本市場への参入も果たした。同社でウェアラブル事業を統括する林宜立バイスプレジデントが、本社のある北京市で取材に応じ、「人々の生活をもっと自由にしたい」と意気込みを語った。(上海支局 齋藤秀平)

林宜立バイスプレジデント

 同社は、米グーグル出身の李志飛CEOが12年に設立した。当初からAIと音声認識に焦点を当てた製品を開発している。15年に代表製品TicWatchシリーズを発売した後、完全ワイヤレスイヤホンやスマートスピーカーなどの新製品を毎年発売している。AIと音声認識に注目する理由は「将来の電子製品は、AIと音声認識で人間とつながるようになる」(林バイスプレジデント)と考えているからだ。
 
スマートウォッチの最上位機種TicWatch Pro

 現在、ウェアラブルのプラットフォームでグーグルと協業するほか、17年からは独フォルクスワーゲンからの投資を受け、モバイル通信機能などを備えたスマート車載ミラーの開発も手掛けている。林バイスプレジデントは「多くのAI企業はソフトだけを開発しているが、われわれはソフトとハードの両方を自分たちで開発している。これこそが成功のDNAだ」と自信をみせた。
 
モバイル通信機能などを備えたスマート車載ミラー

 林バイスプレジデントによると、市場では、代表製品のTicWatchシリーズがヒットし、16年の売上高は1.5億元(約24億円)に。17年は3億元と倍増し、18年は10億元に達する見込み。海外市場での売上比率も高まり、18年の売上高に占める割合は、17年に比べて50%増加しているという。

 林バイスプレジデントは「常に革新的で使いやすい製品を世界中の消費者に提供したい」と述べ、今後も積極的に海外市場に進出する方針を説明。日本市場については「消費者は品質に厳しく、購買力もある。日本は最も重要な市場の一つだ」とし、「日本ではパートナーに頼らないと成功できないため、パートナーの開拓もしっかりと進めていく」と話した。