日本初上陸のGoogleのAndroidスマートフォン「Pixel」シリーズの2機種「Google Pixel 3/Pixel 3 XL」は、NTTドコモとソフトバンクが販売する。また、SIMフリー版をオンラインのGoogle ストアから購入できる。

 価格は一律ではない。5.5インチの「Pixel 3」の64GBを例にとると、ドコモ版の一括購入時の端末価格は9万3312円だが、「月々サポート」適用後の実質負担額は、MNPでは2万7216円、機種変更・新規契約では5万1840円。ドコモオンラインショップならリアル店舗で購入すると請求される契約事務手数料が無料なので、MMPなら3万円以下とかなりリーズナブルだ。
 
ドコモ版「Pixel 3」の場合、機種変更・新規契約より、他のキャリアから乗り換えるMNPのほうが安く手に入る

 一方、通信料金と端末代金を分離した「分離プラン」を導入しているため、ソフトバンク版は一括9万8400円と、ドコモ版の3倍以上に跳ね上がる。ただし、25カ月目以降に最新のスマホに買い替える「半額サポート」を申し込むと、支払額は半分で済む。

 Google ストアでの販売価格は9万5000円、より大容量の128GBは10万7000円。SIMフリーのPixel 3は、手持ちのSIMカードを入れ替えるだけで利用できるため、新たに回線を契約する必要はない。さて、どの経路で買い求めると、最もトクだろうか?
 
「Google ストア」とキャリア、どちらで買うほうがおトクかは、厳密に計算しないとわからない

「トータルコストで安い」「新たに買って固定費を削減」は理解されるか?

 総務省は、11月27日、前日に開催したモバイル研究会と消費者WGの合同会合でまとめた「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言(案)」を公開。現状の問題点を解消するため、通信事業者に「通信料金と端末代金の完全分離」をもとめた。提言の要旨は既報の通り。詳細は<https://www.bcnretail.com/market/detail/20181128_94609.html>を参照していただきたい。
 
通信料金と端末代金を一体化した、現状の売り方の問題点
 
「半額サポート」のような一定の条件の下で端末割賦代金の残債を免除する販売手法は、抜本的な見直しが求められているが……

 家電量販店の冷蔵庫売場では、省エネ性能の向上によって「同じ容量の最新機種に買い替えると冷蔵庫の年間電気代が■■円減る」と訴求している。容量551~600Lの機種で試算すると、年間電気代の差額は6000~7000円台。この説明をしっかり理解すれば、8~10年以上前に購入した消費電力の多い機種から、消費電力の少ない最新機種に買い替えたほうが長い目で見るとトクと分かるはずなのに、「新たに買って固定費を削減」のロジックはなかなか理解されないという。
 
「新たに買って固定費を削減」のロジック(冷蔵庫の場合)

 消費者保護を最優先にするなら、回線契約と端末販売を分ける「完全分離プラン」を導入するにあたり、「購入後2年/5年/10年/30年間のトータルコスト」の目安を提示するといった、賢い価格判断のための新たな共通ガイドラインの策定が必要ではないだろうか。対象は、住宅、自動車、ウォーターサーバー・カートリッジ式浄水器、プリンター、消費電力の大きいエアコン・冷蔵庫など、維持費のかかるもの全てだ。

 同時に、一定の期間に支払う総額で比較する「トータルコスト」の考え方を理解しようとしない層に向け、選択肢として「通信料金と端末代が一体となった従来の買い方」も残すべきではないかと訴えたい。新しいスマホの買い方は計算必須であり、いま以上に、キャンペーンや料金プランの正しい理解が必要になる。(BCN・嵯峨野 芙美)