東急不動産と東急リゾートサービス、Tポイント・ジャパン、ネットスターズの4社は、東急リゾートサービスが運営するスキー場で、TポイントサービスとQRコード決済を導入、11月23日から順次提供を開始する。キャッシュレス化による顧客利便性の向上を目的としている。


 導入を予定しているのは、全国7カ所のスキー場。東急不動産では、11月23日の営業開始に先立って「たんばらスキーパーク」で体験会を開催した。
 
11月23日に営業開始を予定している「たんばらスキーパーク」で体験会

 Tポイントサービスは、リフト券のチケット売り場で受けることができる。来場者は、各スキー場のリフト券購入時に窓口でTカードを提示すれば、200円(税別)で1ポイント貯めることが可能。Tカードに現金をチャージして、Tマネーを利用すれば、カード1枚でショッピングポイントと決済ポイントのダブルでTポイントが貯まる。
 
リフト券の購入時に窓口でTカードを提示することでポイントを貯めることができる

 QRコード決済では、ネットスターズのマルチ決済プラットフォーム「StarPay」を活用して中国人旅行者向けのスマートフォン決済サービスの「WeChat Pay(ウィチャットペイ、微信支付)」や「Alipay(アリペイ、支付宝)」を導入。チケット売り場やレンタル、売店などで利用できる。
 
売店で「WeChat Pay」「Alipay」が利用できる

 体験会と同時に開催した記者会見で、東急不動産のウェルネス事業ユニットホテル・リゾート事業本部本部長の田中辰明・執行役員が「国内のスキー人口はピーク時と比べると減少した。今後も、マーケットが縮小したまま、横ばいが続くだろう」とした上で、「一方、世界のスキー人口は上昇傾向をたどっている。主にアジアを中心としたスキーヤーをいかに獲得できるかがカギを握る」と、サービスの提供に踏み切った理由を述べた。加えて、「Tカードの導入によって、お客様の利用状況をデータ化することで、デジタルマーケティングを展開できる」とアピールした。
 
東急不動産の田中辰明・執行役員

 また、Tポイント・ジャパンのビジネスディベロップメントCOOの佐藤淳・取締役は「Tカードは、約2分1の国民が使うカードにまで会員が増えている状況。それぞれの会員に対して、ほしい情報やサービスを提供するためには、Tカードが使える施設や店舗の数を増やしていくことが重要となる。今回のパートナーシップによって、例えばウィンタースポーツ雑誌購入者に対して東急リゾートサービスさんのスキー場を紹介するなど、新たな価値ができる」と、パートナーシップを組んだ背景を説明した。
 
Tポイント・ジャパンの佐藤淳・取締役

 「WeChat Pay」「Alipay」などを使えるようにした、ネットスターズのフィンテック事業部マーケティング部部長の大竹口隆・執行役員は、「スキー場でのStarPay導入は国内初。中国圏からの訪日観光客の利便性の向上を図っていく」との方針を示した。
 
ネットスターズの大竹口隆・執行役員

 たんばらスキーパークでは、ほかにもレストラン券売機で「nanaco」「WAON」「Edy」などの電子マネーが使えたり、インターネットでチケットが購入できたりと、キャッシュレス化に取り組んでいる。また、今後はネットスターズのプラットフォームを通じて、「LINE Pay」などのQR決済サービスにも対応していく。
 
たんばらスキーパークではレストラン券売機で電子が使えることに加えて、インターネットで事前にチケットが購入できる

 今回の取り組みによって、Tポイントのデータベースを活用したCRMにより適したスキーリゾートサービスの提供、QRコード決済によるインバウンドの来場促進など、国内スキー場マーケットが成熟しているからこそ、次のステップに進むための策を講じている姿を垣間見ることができる。(BCN・佐相彰彦)