東芝のPC事業がシャープの傘下に、10月1日新生TCS発足

経営戦略

2018/10/02 17:00

 東芝クライアントソリューション(TCS)は、6月5日に東芝・シャープが公表した株式譲渡契約に基づき、10月1日付でシャープ傘下となり、新たなスタートを切った。新制TCSとして、PC・ソリューション商品の開発、製造、販売、サポート、サービスを行っていく。


 会長にシャープの石田佳久副社長を迎えるほか、覚道清文社長は引き続き取締役社長を務める。今後は、シャープグループの傘下で、これまで蓄積したPC技術・開発力、品質力、商品力を基盤に、シャープの8K/AIoT戦略と連携し、事業ポートフォリオ展開、調達面、販売面でシナジー効果創出に取り組む。

 TCSは2016年4月1日に現社名に変更。さらなる採算性向上のため、他社とPC事業を統合するなどの案も浮上したが、最終的にシャープが東芝が保有していたTCSの発行済株式の80.1%を取得し、買収するかたちとなった。なお、シャープは、2009年限りでノートPC「Mebius(メビウス)」などの生産を打ち切り、PC事業から撤退しており、子会社を通じてPC市場に再参入したとみなす向きもある。

 東芝は引き続き、新生TCSの株式19.9%を保有するが、同社の連結対象からはTCSは外れる。これまでの「TOSHIBA」「dynabook」のブランド名や、各拠点、機能・体制は変わらず継続する。ただ、東芝のWebサイトでは、PC・システムソリューションは「東芝ブランド許諾商品」の分類となっている。