シャープ、パソコン生産を打ち切り、ハード中心のパソコン事業から脱却

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2010/10/22 16:44

 シャープが、ノートPC「Mebius(メビウス)」などのパソコンの生産を2009年限りで打ち切っていたことがわかった。「パソコン事業からの撤退」の一部報道を受けたBCNの取材に対して、同社広報は「今後は、従来のハードを中心としたパソコン事業から脱却し、ハードとコンテンツ配信を融合させた当社ならではの『GALAPAGOS(ガラパゴス)』事業を展開していく」とコメントした。

12月に発売予定の電子書籍端末「GALAPAGOS」

 「BCNランキング」によると、デスクトップPC、ノートPC、iPadに代表されるスレートPC(板状のモバイル端末)を合算したパソコン全体の2009年のメーカー別年間販売台数シェア1位はNEC(17.5%)、2位は富士通(17.4%)、3位は東芝(16.9%)、4位は日本エイサー(13.9%)、5位はソニー(11.2%)で、この上位5社で8割近くを占めている。シャープは16位で、シェアはわずか0.3%。生産打ち切り前の2008年時点でも、シェア1.5%で11位にとどまっており、「Mebius」やデスクトップPC「インターネットAQUOS」などを展開していたものの、低迷していた。

デスクトップPC「インターネットAQUOS」(PC-AX120V)とノートPC「Mebius」(C-NJ80A-W)

 パソコン事業から完全に撤退するわけではなく、コモディティ(日用品)化が進み、収益性の悪くなった「ハード売り切り」の従来型のビジネススタイルをやめ、今後はハードとコンテンツ配信を組み合わせた、付加価値の高い独自のビジネスを展開する。その一つとして、12月に発売予定の電子書籍端末「GALAPAGOS」の販売と、そのコンテンツ配信に注力するとしている。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。