経営再建中のパイオニアは9月12日、香港の投資ファンドであるベアリング・プライベート・エクイティ・アジア傘下のファンドから500億~600億円の融資と出資を受けると発表した。まずは、第三者割当に先立つ9月18日に、高めの金利になることが多いとされる短期間に限定したブリッジ・ローンで総額250億円の融資を受け、既存の借入金の返済や運転資金に充てる。

カーナビのフラッグシップモデル「サイバーナビ」

 カーエレクトロニクス事業で苦戦を強いられているパイオニアは、抜本的な経営改善やOEM事業の見直しに向け、足もとの資金繰りやキャッシュフローの正常化、借入金の返済などの資金を確保するために、複数のスポンサーに資金提供を打診していた。

 香港の投資ファンドによる出資は第三者割当を予定するが、発行される株式の1株当たりの払込金額は、パイオニアや子会社の資産価値を調査した後の正式契約で決定する。

 パイオニアは9月7日にも、連結子会社の東北パイオニアが所有し、FA(ファクトリー・オートメーション)事業を担う東北パイオニアEGの全株式を、自動車部品サプライヤー大手のデンソーに譲渡した。また、今年6月末に経営体制を刷新し、小谷進社長が退任して森谷浩一新社長が就任している。

 直近の19年3月期第1四半期決算では、売上高が838億円(前年同期比0.6%増)と微増に転じたが、営業利益がマイナス16億円で、前年同期のマイナス2億円から赤字幅が膨らんだ。

 東北パイオニアEGが手掛けていたとみられるFA機器部門は増収で、営業利益が前年同期のマイナス4億円からトントンに改善していた。一方の主力事業であるカーエレクトロニクスは増収だったものの、営業利益が前期3億円からマイナス14億円に転落。通期見通しも、営業利益マイナス55億円と、決して明るくはない。

 全社の通期予想では、売上高は3800億円(前年度比4%増)だが、営業利益はマイナス50億円を見込む。7月に欧州委員会から命じられた独禁法違反の制裁金の支払いによる特別損失の計上もあり、当期純利益予想の開示は保留となった。パイオニアの経営再建の焦点は、カーエレクトロニクス事業の立て直しに絞られた。(BCN・細田 立圭志)