世界初の8Kディスプレイを開発し、2011年にスタートしたシャープの8Kの歩み。2017年12月には70型の8K対応モデル「AQUOS LC-70X500」を発売し、世界初の民生品化を実現した。「ここからは第2章」。TVシステム事業本部の喜多村和洋事業本部長は5月16日に開催したテレビ事業懇談会で、8Kを「製品化」から「市場拡大」へとフェーズは移行すると説明。年内には8K対応テレビの新ラインアップを投入、関連カテゴリの対応製品群を展開し、新たなエコシステムを構築する計画を明かした。

2017年12月に発売した世界初の8K対応モデル「AQUOS LC-70X500」

 民生品8K対応テレビの1号機「LC-70X500」は、発売時の税別実勢価格で100万円前後だったが、喜多村本部長は次に投入を検討する60V型について「半分程度の価格になれば」と意気込む。まだ市場は立ち上がったばかりだが、市場の広がりと他社への牽制のために、早くも価格でも勝負に打って出る。
 
「価格を抑えた8Kの新ラインアップ投入で市場を広げたい」と語るTVシステム事業本部の喜多村和洋事業本部長

 今年の12月1日には新4K/8K衛星放送がスタートするが、コンテンツの充実も普及には欠かせない要素だ。シャープはチューナー、レコーダー、ホームシアターシステムなどの関連カテゴリを8Kに対応させることで、自社単独でも消費者の需要を喚起していく。
 
8K対応の製品群で新たなエコシステムを構築する

 展開は日本だけにとどまらない。親会社である鴻海精密工業の販売網や開発リソースをフル活用し、中国、台湾、東南アジア、欧州、ロシアといった地域にも8Kを広げていく。すでにタイでは政府の観光庁とMOUを結び、“Amazing Thailand Amazing 8K”のプロジェクトを開始するなど、積極的に「シャープ=8K」というブランディングを進めている。
 
8Kを世界同時展開し、ブランディングの強化を図る。
タイでは政府と組んで「シャープ=8K」の認知拡大を狙う

 米大手調査会社IHSは、20年度の全世界での8Kテレビ需要を300万台と予測する。喜多村本部長は「関連カテゴリも含めた8Kワールドで3000億円の売上高を目指したい」と、中期的な目標を示した。(BCN・大蔵大輔)