富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は5月16日、「DAY 1」発表会を開催、2月1日にレノボ傘下入りした同社の今後について詳細を明らかにした。レノボグループが51%、富士通が44%、日本政策投資銀行が5%の出資比率で5月2日に事業を開始して再出発した同社は、社名や社長はもとより、開発・製造・販売・サポートを日本で行う基本的な枠組みは変えず、さらに磨きをかけていく。

今日を「DAY 1」として、さらに進化すると宣言する、
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の齋藤邦彰 代表取締役社長

 発表会で齋藤邦彰 代表取締役社長は「レノボとの合弁会社になったことで強みがさらに強固になる」と話す。同社が目指す「人に寄り添ったコンピューティング」を実現するにあたって世界一のバックエンドのインフラをもつレノボとの提携が大いに役立つとし、さらに、エッジコンピューティングやAIにリソースを割くことで、より「人に寄り添う」コンピューティングの実現を目指すとした。
 
先行プロジェクトとして開発中のEDGE AIプラットフォーム「Infini-Brain」

 そのうえで齋藤 代表取締役社長は「最先端を走りながら、さらにお客さまに寄り添うために変わっていく。お客さまのために何ができるかを全従業員一丸となって突き進む。今日5月16日を『DAY 1』と呼び、誓いの日と位置づけた。後年、今日を境にFCCLは進化したと言われるような日にしたい」と「DAY 1」への想いを語った。

 一方、これまで通り、川崎工場での開発、出雲や福島工場での製造を続け、メイド・イン・ジャパン・クオリティーによるものづくりへのこだわりを貫くとして、「ものづくりはFCCLの価値そのもの。この財産を手放すことはしない」と話した。
 
「Infini-Brain」の画像認識デモ。リアルタイムに表情までとらえることができる。たとえば、学校の教室で生徒の様子や表情をリアルタイムにとらえて整理することで、より質の高い授業を展開することにも応用できる

 発表会では、先行プロジェクトとして開発中のEDGE AIプラットフォーム「Infini-Brain」を初公開した。現在使われているトップクラスのワークステーション10台分の性能をもち、複数の異なるAIを低電力で同時に実行できるのが特徴だ。発売予定に関しては「秘密」とのこことだったが、およそ3年の間には発売したいと話した。

 クラウドに匹敵するコンピューティングパワーを身近に置くことができるため、例えば映像のリアルタイム処理にあたっても、通信環境やプライバシー、セキュリティーといった問題が生じない利点がある。デモンストレーションでは、リアルタイムに人物を検出し、人の動作や表情を抽出する様子を披露した。(BCN・道越一郎)