国内メーカー3社が相次いで参入したことで、「有機ELテレビ元年」となった2017年。4K対応液晶テレビが熾烈な格安競争を繰り広げたこともあり、急拡大とはいかなかったが、徐々に認知を高めている。昨年まではLG一強の市場だったが、果たして1年でシェアバランスはどのように変化したのか。

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下半期に入りシェア争いが激化した有機ELテレビ

 家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、6月にソニーとパナソニックが参戦して以降、各社が入り乱れる大混戦になった。5月時点ではLGが7割を超えるシェアをもっていたが、6月には新規2社の影響で28.3%まで下降。ソニーはスタートダッシュに成功し、51.4%ものシェアを占めた。

 しかし、そのまま独走とはいかなかった。7月にはLGがソニーを追い上げ、下半期は毎月僅差で推移。スロースタートとなったパナソニックだが、継続して前月を上回るシェアを記録し、11月には初のトップに立った。一方、東芝は3月をピークに下降線をたどり、伸び悩んでいる。
 
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 17年1月1日以降の累計では、LGがトップを維持していたが、最終月となる12月に入り、変動があった。12月第2週(17年12月11日~17日)の時点で、ソニーがLGを逆転。ギリギリのタイミングで年間No.1が入れ替わった。とはいえ、差はわずかで再逆転の可能性もあり、年明けまでどう転ぶかわからない状況だ。
 
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12月第2週を境に累計シェアが逆転

 12月21日までの累計データで、機種別に集計した有機ELテレビの販売台数1位はソニーの「BRAVIA KJ-55A1」。29.8%の高シェアを獲得し、17年を代表するモデルとなった。税別平均単価38万円前後と決して手頃ではないが、画面一体型のスピーカーや独自の背面スタンドを採用したデザインなど、画質以外の価値をうまく訴求することに成功した。
 
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ソニーの「BRAVIA KJ-55A1」

 2位にはパナソニックの「VIERA TH-55EZ950」がランクイン。こちらもシェアは23.4%と人気が高い。3位はLGの「OLED55C7P」で、平均単価24万円前後で他社製品よりも購入しやすい点が受けているようだ。
 
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パナソニック「VIERA TH-55EZ950」(左)、LG「OLED55C7P」

 4K対応液晶テレビは海外メーカーや流通企業が展開した格安モデルの影響で、単価下落の波に晒され続けた1年だった。一方、ランキングを見る限り、一般的な液晶テレビに比べて価格が高い有機ELテレビは、価値で選択される傾向にあるようだ。(BCN・大蔵 大輔)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。