野村総合研究所(NRI)は12月14日、「異次元緩和の出口戦略とグローバル金融市場」と題したメディアフォーラムを開催した。2012年から日本銀行で政策委員会審議委員を5年務め、7月にNRIに復帰した木内登英 エグゼクティブ・エコノミストが登壇、日銀の金融政策について解説した。

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最新動向を解説する木内登英 エグゼクティブ・エコノミスト

 木内エコノミストは、現在期待されているほど賃金や物価が上昇していない要因を「成長期待の低下」と指摘。人手不足が続き、パートタイム労働者、派遣社員といった非正規雇用は拡大しているものの、固定費の増大を恐れ正規雇用者の賃上げがままならないのも先行き不安によるものだと解説した。日本経済の実力からすると、現在政府が掲げている2%の物価上昇は短期的目標としては高すぎるとし、性急な達成を目指すと経済を不安定にすると警鐘を鳴らす。

 また、金融政策の役割としては、直接、成長期待を醸成することはできないが、経済や金融市場の安定を維持し、企業のイノベーションや投資、政府の構造改革を支えることで日本経済の実力を高めることにあると話した。
 
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木内 エコノミストが11月に上梓した『異次元緩和の真実』

 なお、木内 エコノミストが11月に上梓した『異次元緩和の真実』(日本経済新聞出版社刊、税別価格2200円)には、5年間にわたって金融政策に携わってきた経験をもとに、異次元緩和の出口戦略を提言している。(BCN・道越一郎)