今年も例年同様、主要3キャリアが競うようにキャンペーンを繰り広げるiPhone商戦が始まった。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」を合算した新iPhone2機種の発売から3日間の販売台数は、過去3年間で最低だった「iPhone 7/7 Plus」の7割にとどまったものの、販売店の店員は、残る1機種「iPhone X(テン)」が11月3日に発売になり、3機種出揃うまでは様子見・買い控えはやむなしと、ひとまず、キャリアが展開するキャンペーンの訴求に力を入れている。

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「iPhone 8/8 Plus」は慣れ親しんだiPhoneの最終形態だと評判は高いが……

 「BCNランキング」によると、iPhoneシリーズの累計販売台数1位は、2014年9月発売の「iPhone 6」だ(詳しくは<歴代iPhone販売台数トップは「iPhone 6」、右肩上がりのピークは過ぎたか>を参照)。スマートフォンの普及が一段落し、「実質0円」販売の終了と端末価格の高騰、安さと自由さをウリにする「格安スマホ」と呼ばれるMVNOとSIMフリースマートフォンの認知度アップなど、複数の要因が重なり、モデルチェンジ直後を除き、Appleのシェアは以前より下がっている。

 新モデル発売直後の初速は、今年が最も鈍い。16年9月発売の「iPhone 7/7 Plus」と、今回の新iPhone2機種「iPhone 8/8 Plus」の日ごとの累計販売台数指数を比較すると、発売1日目は前年の6割にとどまり、土日で若干取り戻したものの、5日目の時点では前年の7割の水準だ。
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 ただ、デュアルカメラを搭載した「iPhone 8 Plus」に限ると、発売初日から「iPhone 7 Plus」の販売台数を上回っており、新iPhoneの3割弱を占めた。iPhoneユーザーの間でも、Android同等、大画面・カメラ重視にシフトしているといえるだろう。

 また、「iPhone 8/8 Plus」に限ったキャリア別販売台数シェアは、ドコモ23.5%、au39.5%、ソフトバンク37.0%。昨年の「iPhone 7/7 Plus」までは、発売1週目は毎年、ソフトバンクがトップだったが、今年はauが1位を制した。それでも、販売台数は、前年の80.6%にとどまっている。
 
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 供給が安定せず、例年以上に品薄となり、なかなか手に入らないのではと、発売前から不安視されている「iPhone X」。たとえ、長く待つことになっても、まったく新しいデザインの「iPhone X」がいいと心に決めている人もいれば、割引額が増えた「iPhone 7/7 Plus」を狙っている人もいるだろう。安さや小型さを重視するなら、「iPhone SE」という選択肢もある。さらに、ワイモバイル、UQモバイルは、10月上旬から新品の「iPhone 6s」の128/32GBモデルの取り扱いを開始する。

 「iPhone X」の発売は、まだ1か月以上先。新iPhoneの販売面での評価は、そこまでは保留としたい。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。