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ドスパラの西尾伸雄社長 会員制度でつなぐオムニチャネル戦略

インタビュー

2017/05/26 15:00

 リアル店舗で既存顧客を囲い込む施策を打ち出す一方、EC事業の仕掛けにも注力するドスパラ。顧客を奪い合わず相乗効果を生み出すために、どのようなオムニチャネル戦略をとっているのか。西尾伸雄社長は両チャネルをつなげる「会員制度」こそ戦略の要だと語る。

取材・文/大蔵 大輔、写真/大星 直輝

・前半<目指すのは専門店の深化>から読む

―― パワーユーザーはリアル店舗だけでなく、ECも使いこなしています。どのようなオムニチャネル戦略で区分しているのでしょうか。

西尾 店舗とECが連携していないマルチチャネルでは、「丁寧に接客している分、店舗で購入してほしい」「サイトに多額の投資をした分、ECで購入してほしい」と競い合ってしまいます。これではお客様の満足度は上がりません。そこで、それぞれの視点でどのように別チャネルを活用できるかを考えるようにしました。

 例えば、店舗はECで情報発信してもらい、来店機会を創出してほしい、あるいは営業時間外の対応をしてほしい。逆にECは店舗にリアルタッチポイントとして購入前の相談を受けたり、興味をもってもらったり、最初の段階を担ってほしい。相互のチャネルをミックスするためにハブになっているのが、会員制度です。どのようなサービスがお客様にとって便利なのか、忌憚のない意見を集めて、関係性の改善に努めています。

「会員制度は相互のチャネルをミックスするためのハブ」と語るドスパラの西尾伸雄社長

―― 有料の「プレミアムサービス」の状況はいかがですか。

西尾 開始から3年目ですが、おかげさまでご好評いただいています。ポイント還元率は高いですし、送料も無料、大幅割引きクーポンも発行しています。月額の有料サービスですが、収益を得ることは考えていません。月に数百円を支払ってでも価格以上の対価を求めるお客様を増やすことが目的です。ですから、本当はサービス単体ではもっと赤字にならなくてはいけません。
 

「プレミアムサービスはもっと赤字になるべき」

―― デジタル雑貨を展開する「上海問屋」はネット上でしばしば話題になり、知名度が高まっています。新たに顧客層を広げていきたいという考えはありますか。

西尾 あまりターゲットを広げるという考えはありません。今のお客様であるパワーユーザーの方に集中しないと、満足していただくことは難しい。決して新規のお客様を捨てるわけではありませんが、専門店としてより深く進化していくことが重要です。「上海問屋」であれば、今のお客様が思わず笑ってしまったり、今のお客様が興味をもったりすることを突き詰めています。

・<秋葉原はどう変わる?>に続く