ドスパラの西尾伸雄社長 移ろいゆく秋葉原の変化を語る

インタビュー

2017/05/26 18:00

 本店とパーツ館の2店舗を展開し、本社も構える秋葉原はドスパラにとってまさに本拠地といえる特別な街だ。1990年代後半に電気街からオタクの街に生まれ変わり、独自の進化を遂げてきたが、近年は国内外の観光客を意識した店舗や施設が増え、新たな変化の兆しが見える。ドスパラの西尾伸雄社長は、その変化をどのように受け止めているのか。

取材・文/大蔵 大輔、写真/大星 直輝

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―― 電気街からオタクの街に変貌を遂げた秋葉原ですが、近頃は新たな変化の途上にあるように思えます。

西尾 “秋葉原離れ”ということはよく言われていますが、これまでのお客様が離れていっているということはありません。

 現在の秋葉原には何でもあります。その影響でオタク色が薄まってみえるのかもしれませんが、従来の秋葉原を担ってきた人や店は健在です。むしろ幅が広がっていることで、これまで秋葉原を避けてきた方を呼び込むことができるようになっています。これは、われわれにとってもチャンスです。
 

「オタクの街としての機能は健在。むしろ幅が広がることでより魅力的な街になりつつある」と
現在の秋葉原を語る西尾伸雄社長

―― 今、秋葉原にはゲーミングメーカーの直営店が相次いでオープンしています。競合として意識していますか。

西尾 意識はもちろんしていますが、業界のためによいことだと思っています。専門店が増えれば、それだけゲーミングPCに対する認知が進みます。盛り上がりを目の当たりにしたお客様が「やってみようかな」と興味を持つ、そんな流れに期待しています。
 

秋葉原に出店するゲーミングメーカーの直営店を競合として意識しつつ、業界発展のために有意義だと説く

―― とにかくまずは市場全体のパイを広げる必要があると。

西尾 社内にいるとゲーミングPCはあたりまえの存在ですが、ひとたびプライベートに戻ると、親族であってもゲーミングPCについて全く知りません。「プレステやDSと何が違うの?」と(笑)。まずは、認知してもらうことです。認知した人の中から興味を持つ人が現れます。そういった方にアプローチすることで、じわじわと市場が広がるはずです。

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