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<KeyPerson>コジマの木村一義会長兼社長 「ビックとコジマだからリストラもせずに済んだ」

インタビュー

2017/03/24 16:30

 コジマの木村一義会長兼社長は、ビックカメラとの協業は両社のパワーを互いに高める方向に作用すると強調する。それぞれが別の商圏でビジネスを行い、異なる強みをもつため、それらを融合することで新たなシナジーを生み出せるからだ。そして、コジマは地域密着型のサービスにこれまで以上に力を注げるようにもなる。

取材・文/日高 彰 写真/大星 直輝

・前半<生活スタイルに合わせて変わる、郊外型家電量販店の姿>から読む

―― 企業再生というといわゆる「リストラ」のイメージがつきまといますが、そうではないと。

木村 社員のモチベーションが第一ですので、人員整理は特にやってはいけないことです。ただ、もしコジマビックカメラではなく、他の郊外型量販店と提携していたら、両社が同じ商圏に店を出しているわけですから、人員整理のためのリストラは避けられなかったと思いますが、今回は郊外型のコジマと都市型のビックカメラという、非常に良い補完的な組み合わせでした。

 ビックカメラには都心店で鍛えた売り場作りのノウハウ、クロモノ商品の専門知識がある一方、コジマには、時間をかけてやさしくていねいにご説明するホスピタリティがあり、年齢層の高い方々も含めた、地域密着店におけるお客様への接し方をよく知っています。両社の強みが互いに伝わることによって、グループとしてさらに強くなれると考えています。
 

コジマとビックカメラはシナジー効果の高い組み合わせと強調する木村一義会長兼社長

――地域密着店の視点から見て、今後の家電量販店における売り方やその役割はどのように変わっていくと見ておられますか。

木村 2020年の特需など一時的な盛り上がりはあると思いますが、消費動向全体が“モノ”から“コト”へと大きく変わる中、基本的にはこの先モノの消費がそんなに大きくふくらむことはないだろうと思っています。必要か不要かという軸だけだと、必要なモノは既にお客様のご家庭にすべてある時代です。例えば炊飯器なら、必要だからではなく、いまお使いのものよりもこんなにおいしくなります、こんなに手間がかからなくなりますといった、楽しさや快適さ、自分の暮らしに役に立つということが伝わらない限り、商品は売れない時代です。

 そこで、モノはモノとしてではなく、モノをコトとして売るため、できるだけ多くの売り場に手書きのPOPを付けるように指示しました。そこにはスペックだけではなく、暮らしにどのように役立つのか、自分たちの平易な言葉で書いてほしいと。しかも、書く以上は責任をもっておすすめするため、書いた販売員の顔写真も付けました。その商品がお客様からみてどんなベネフィットを与えてくれるのかを訴求していく必要があります。そのほか、コジマでは数年前から家事代行サービスの販売にも力を入れていますが、これもコト軸のご提案です。ライフスタイルの変化にともなって、これからも家庭の中での困りごとは増えていくと思います。お家の中の困りごとには全部ソリューションをご提供できる、それくらいの企業になっていきたいと考えています。
 

「私たちは太陽のように明るさと暖かさをご家庭にお届けします。」の理念を表す太陽マーク

―― 「くらし応援」のスローガンのもと、応援をする範囲はさらに広がっていきそうですね。

木村 先ほどの「凡事徹底」に加えて、私は「不易流行」という言葉もよく使っています。つまり変わらないもの、変えてはいけないことと、変わるもの、変えなければいけないもの、これらのすみ分けをきちんと考えなければなりません。創業時の理念である「明るさと暖かさをご家庭にお届けする」こと、そしていま申し上げている「くらし応援」、これが私たちにとっての「不易」です。一方、どのように応援するかは、さまざまなやり方がある「流行」です。どんな世の中でも変わらない部分をしっかり守りながら、時代にあわせていろんな挑戦をしてかなければいけないと考えています。

・<動画インタビュー>トップに聞く『会社の夢』