中国のEC市場の販売シェア2位を誇る「JD.COM(京東=ジンドン)」は、2017年に中国国内の町(郷鎮)に小型家電店「京東家電」約1万店を出店する計画を、中国・上海で3月9日から11日まで開催された中国家電世界博覧「Appliance & Electronics World Expo 2017(AWE2017)」で発表した。ネット通販が台頭してきた中国で、新しいオムニチャネル戦略の転換点となる可能性がある。

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リアル店舗「京東家電」約1万店の出店計画を「AWE2017」で発表した

ひとつの町に1店を出店、中国全土で1万店の出店を計画

 JD.COMのバイヤーは「京東家電で扱う家電商品はECサイトで扱っている商品と同じ。お客様にリアルとウェブの区別なく利用してもらいたい」と語った。
 
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「AWE2017」のJD.COMブース

 「京東家電」は、日本の街の家電店のような小規模店舗。加盟店の事業者を募集するパンフレットによると、ひとつの町に1店のテリトリー制を敷き、ドミナントで展開。加盟にあたり、物流費やロイヤルティが不要であることを謳っている。
 
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「京東家電」の店舗イメージ(左)と事業者を募集するパンフレット

 中国の調査会社iResearchによると、2016年の中国EC市場のトップはアリババが展開する天猫(T-mall)でシェアは56.6%、JD.COMは24.7%で2位につける。
 
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 JD.COMは家電製品のEC直販サイトからスタートし、今では日用品や雑貨など多くのアイテムを扱う。15年には、消費者の空き時間を利用して商品を配達するユニークな物流システムを採用して、商品の注文から2時間以内に届けるサービスを展開する。

 中国では若者が沿岸部や都市部に流入し、地方の過疎化や高齢化などの格差が課題となっており、JD.COMは、地域での情報格差や価格差の解消を重要な経営戦略に位置づけている。

 ここ数年でECサイトが急激に拡大した中国市場で、既存の大型量販店ではなく、小規模なリアル店舗による新しいオムニチャネルの動きが始まろうとしている。(BCN・細田 立圭志)