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私のスマートフォン使いこなし術! 3人の読者が語る日常使いのコツ

特集

2012/04/25 18:15

 スマートフォンの売行きが絶好調だ。「BCNランキング」でも、2012年3月の販売台数は過去最高を記録。携帯電話全体に占めるスマートフォンの割合は77.8%に達した。携帯電話には子ども向けやシニア向けのものも含まれ、それらを除けば実質的にはスマートフォンが全体の8割以上を占めていると考えられる。

 4月からの新生活に向けて、初めてスマートフォンを手にした人やスマートフォンに機種変更して間もない人にとって、多機能のスマートフォンは「どうやって使いこなせばいいのかわからない」ところも多いのではないだろうか。そこで、フリーマガジン『月刊BCNランキング』読者のスマートフォンユーザー3人にお集まりいただき、それぞれの使いこなし術を語ってもらった。

読者座談会は和やかな雰囲気でスタート

座談会参加者はこの3名




芝田邦彦さん(52歳)
職業:自営業
使用機種:ソニーエリクソン(現ソニーモバイルコミュニケーションズ
「Xperia acro SO-02C」(NTTドコモ)


八角裕樹さん(26歳)
職業:ロケバスドライバー
使用機種:アップルiPhone 4S」(ソフトバンクモバイル)


井浦正広さん(47歳)
職業:エンジニア
使用機種:アップル「iPhone 4S」(ソフトバンクモバイル)


あなたのスマートフォンはiPhone? それともiPhone以外?



──まず、皆さんがいまお持ちの機種を選んだ理由を教えてください。

芝田 私は、ずっとドコモの携帯電話(mova)を使っていたのですが、今年3月にmovaのサービスが終了するというので、昨年12月にスマートフォンに機種変更しました。シャープパナソニックの機種も候補に挙げて比較検討しましたが、最終的に「Xperia acro SO-02C」を選びました。理由は、おサイフケータイやワンセグなどを搭載していて、標準でFMラジオが聞けるなど、多機能なところが気に入ったからです。

八角 私も以前はmovaを使っていたのですが、仕事でご一緒したカメラマンがiPhoneを使っていて、すごく使いやすそうだったので、「iPhone 3GS」に替えたのがスマートフォンを使い始めたきっかけです。3GSから機種変更して、現在は「iPhone 4S」を使っています。

井浦 私はLinux(コンピュータのオペレーティングシステムの一種)のエンジニアをやっていたのですが、スマートフォンのアプリケーション(アプリ)を開発してみたくなって、「iPhone 4S」を選びました。

スマートフォンを選んだ理由は三者三様だった

──井浦さんは、ご自分で開発したアプリをアップルのApp Storeで配布されていますよね。なぜAndroid向けではなくて、iPhone(iOS)向けだったのですか。

井浦 Androidは採用機種が多いので、機能の検証が大変なんです。機種やAndroidのバージョンによって不具合が出ることもあるので、十分な検証を行うには多くの機種を揃えてチェックする必要があります。それは、個人ではとても無理。その点、iOSならチェックする機種も限られていますから。それに、Androidだとメーカー独自のアプリストアなどがあったりしますが、iOSの場合は、アップルのApp Storeで統一されているので、開発したアプリは世界市場を視野に販売できるのも魅力でした。

──では、芝田さんがiPhoneではなく、Android端末を選ばれたのはなぜでしょうか。

芝田 単純にドコモから変えたくなかった、というのが最大の理由です。他社に替えたときに、番号ポータビリティ(MNP)でそれまで使っていたmovaの携帯番号は引き継げますが、携帯メールアドレスは引き継げません。仕事でも使ってきた携帯メールアドレスだったので、それを使い続けられることが第一条件でした。

八角 確かに、キャリアは重要な問題。ただ、私はiPhoneにとても魅力を感じたので、思い切ってソフトバンクに替えました。本当はドコモからiPhoneが発売されていたら、一番よかったんですけどね(笑)。

八角さんの「iPhone 4S」。
ロック画面の壁紙は、加工してロック解除のスライドバーを並べたもの

芝田さんは、今回唯一のAndroidユーザー。
昨年12月から使い始めた「Xperia acro SO-02C」

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無料アプリでコミュニケーションを拡張する活用術



──皆さんがスマートフォンで気に入っているところや、よくお使いのアプリなどを教えていただけますか。

芝田 私はまだ使い始めたばかりなので、電話とメール、それにウェブブラウザでサイトを閲覧するくらいです。自宅ではデスクトップPCを使っているのですが、外出先でもPCと同じメールアドレスでメールの送受信ができるのがいいですね。

八角 私がよく使っているアプリは、道路渋滞情報が確認できる「道路渋滞情報ビューア」という無料アプリです。日本全国の道路をカバーしているうえに、最新の渋滞情報を問い合わせることができる電話番号も表示します。運転しているロケバスはカーナビを搭載していますが、自宅にいるときやロケ現場など、車を離れているときも渋滞状況が確認できるので重宝しています。カーナビより、iPhoneで渋滞情報をチェックすることのほうが多いかもしれませんね。

 それと「フラッシュライトLED」という懐中電灯アプリ。iPhoneのフラッシュを光らせて、文字どおりiPhoneを懐中電灯代わりに使える無料アプリです。ロケバスの中で、誰かがシートの下に物を落としたときなど、このアプリで照らしながら探すことがあります。

 それから、歌詞を表示してくれる無料音楽プレーヤーの「Discodeer」も気に入っています。iPhone内の音楽をこのアプリで再生すると、自動的に歌詞を表示してくれるんです。カラオケの練習になりますよ。

・「道路渋滞情報ビューア」をダウンロード(App Store)
・「フラッシュライトLED」をダウンロード(App Store)
・「Discodeer」をダウンロード(App Store)

井浦 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)系のアプリも使っていますか。

八角 FacebookをiPhoneで利用しています。そうそう、Facebookは最近、写真にタグを付ける方法を習得しました。友人の名前をタグ付けした写真をアップロードすると、自動的にその写真が友人のFacebookにリンクするので、コミュニケーションの幅が広がりました。

井浦 私の場合は、標準アプリ以外は自分で開発したアプリを使うことが多いです。位置情報を利用しようと思うと、標準アプリのほうが使いやすいんです。一方で、Twitterは地域を絞ったツイートが知りたいと思って、独自にアプリを開発しました。東日本大震災の後、関連するタグが付いたツイートが全国で急増しましたが、被災地のある地域がどのよう状況で、何が求められているかを知るには、場所を絞り込んだツイートを表示できるアプリが必要だと考えたのです。

八角 東日本大震災で固定電話や携帯電話が不通になったとき、Twitterが活用されたという話はよく知られていますよね。インターネット回線を使った無料通話アプリの「LINE」や「Viber」の利用者も増えたといわれています。私も、他社の携帯電話利用者に対しては「LINE」で通話やメールをやりとりすることがよくあります。

・「LINE」をダウンロード(App Store)
・「Viber」をダウンロード(App Store)

井浦 これはiPhone 4Sだけの機能ですが、iOS 5.1で搭載された音声アシスタント機能の「Siri」はおもしろいです。ようやく日本語でも使えるようになりました。まだ日本国内向けとしては十分とはいえないところもあるのですが、今後の発展に期待したい機能ですね。

芝田 スマートフォンだと、いろいろ便利な使い方ができるんですね。私も早く使いこなしたいです(笑)。

井浦さんが開発したアプリ

楽天順位」(無料)
楽天市場と楽天トラベルのランキング情報を高速表示するアプリ。直接Twitterに投稿することもできる

・「楽天順位」をダウンロード(App Store)
「TAOTM」(無料)
Twitterのツイート(つぶやき)を地図上に表示するアプリ。ある場所でどのようなツイートがされているかを可視化する

・「TAOTM」をダウンロード(App Store)
「UBMES」(無料)
誕生日以外のイベントを登録して、地図と連動表示するアプリ。日々の行動記録としても利用できる

・「UBMES」をダウンロード(App Store)


不満は何といってもバッテリがもたないこと



──それでは、スマートフォンの不満点についてはいかがですか。

井浦 カメラや位置情報、SNSなどを頻繁に利用していると、内蔵バッテリだけでは安心して1日使えないところが最大の不満です。私には外付けバッテリが必須アイテムですね。最近、太陽光発電で充電できる外付けバッテリを手に入れたので、必ず持ち歩くようにしています。

芝田 私も、バッテリがもたないのが不満ですね。最新のスマートフォンを、それもエコな設定で使っているのに、以前使っていた古いmova並みの持続時間というのは、なんだか納得いかない気がします。
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八角 私のiPhoneは、ロケバスの中ではいつも車のシガーソケットに差して充電できるFMトランスミッターにつながっているので、バッテリ切れの心配はありません(笑)。むしろ、画面のガラス強度のほうが不満ですかね。iPhoneを落として画面をヒビだらけにしてしまった友人は珍しくないです。なので私は、純正プロテクタの「Bumper」を装着しています。

八角さんはアップル純正の「Bumper」を装着

芝田 確かに表面ガラスの強化には、もっと取り組んでほしいですね。それと、指紋が付きにくいガラスの採用や非光沢画面が選べるようにもしてほしいです。触った感じや見え方が微妙に違ってくるので、私は液晶保護フィルムを貼っていません。それで、画面を拭くための専用ハンカチを常に持ち歩いていますが、そもそも標準で指紋が付かないような画面にしてくれると助かります。

芝田さんは画面を拭くハンカチを常備。
「Xperia acro」と一緒に持ち歩くために、電子辞書のソフトケースを活用している

話題はスマートフォンアクセサリへ。それぞれが欲しいアクセサリの話で盛り上がる

iPhoneに防水機能? スマートフォンはまだまだ進化する



──スマートフォンと一緒にお使いの周辺機器やアクセサリのお話が出ましたが、ほかにはどのようなものをお使いですか。

井浦 常に持ち歩いているのは、Bluetooth接続で使える手のひらサイズのキーボードです。メールやEvernoteなどで少し長い文章入力が必要なときには、画面をタッチするソフトウェアキーボードより、普通のキーボードをタイプするほうが文字入力がしやすい。それにこのキーボードは、レーザーポインタとしても使えるので便利なんです。

 それと、私は携帯電話のようにiPhoneを首からぶら下げています。ちょっと不格好かもしれませんが、これなら置き忘れの心配がないし、誤って落とす心配もありません。iPhoneは本体にストラップホールがないので、ストラップが取り付けられるケースを利用しています。ネックストラップにもこだわりがあって、何かに引っかかって一定以上の力がかかったときに、ストラップ部分が外れるものを選んでいます。万が一、電車のドアに挟まれたり、誰かの服や持ち物に絡まったりしたときに、ストラップが外れないと危険ですからね。ただ、市販のストラップでは、なかなかそうしたものが少ないのが実情です。

井浦さんの「iPhone 4S」と太陽光充電バッテリ、Bluetoothキーボード。ネックストラップは圧力がかかるとハーネスが外れるタイプで、発表会で配られたものを愛用しているそうだ

──もっとこんな機能があれば、とか、スマートフォンでこんなことができるようになれば、といった要望はありますか?

八角 iPhoneに、防水機能があれば……。お風呂でも使いたいので(笑)。

井浦 私は、2次元バーコードをカメラで撮るだけで、自動的にさまざまな情報をネット上から検索してくれるようなサービスがあると便利なのでは、と考えています。例えば、書店である本を手にとって、本に付いたバーコードをスマートフォンのカメラで撮ると、Amazonのカスタマーレビュー、著者のウェブサイトやブログ、感想を書き込んだブログや掲示板、その本に関連する資料・地図・写真などが、たちどころに一覧できるようなサービスです。スーパーの食材なら、産地やおすすめレシピ、必要な調味料とか。いちいちブラウザを起動して検索するのは面倒ですからね。

芝田 そういうサービスがあると便利でしょうね。バーコード化されれば、iPhone専用というわけではなく、Androidでも当然使えるでしょうから(笑)。

八角 家電量販店などのポイントカードもアプリ化してくれると、きっと便利ですよね。

──使えば使うほど、スマートフォンの可能性はますます広がっていきそうですね。今後の進化を、皆さんとともに期待したいと思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。 

(写真・文/フリーライター 榎木夏彦) 

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