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契約伸びるWiMAX、速度と価格、契約の自由度がビジネスマンに人気

特集

2010/07/23 18:27

 外出先や移動中でも、高速データ通信ができるUQコミュニケーションズのブロードバンド通信サービス「モバイルWiMAX」が、7月1日で有料サービス開始1周年を迎えた。当初は低かった認知度だが、猫が登場するCMの効果などもあって、利用者は5月末の時点で20万人弱にまで拡大している。MVNO(※)としてサービスを提供するビックカメラの有楽町店本館では、「モバイルWiMAX」の認知度の向上を受けて、5月から専用コーナーを設置。「契約者数は、順調に伸びている」(5階 Windowsコーナーの立切達也主任)という。立切主任に、現在の「モバイルWiMAX」の契約状況を聞いた。
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<font size=2>※移動通信設備を他社から借り受けてサービスを提供する事業者</font>

通信速度と安さがウリ! ビックカメラなら無線LANサービスの独自特典も



 「モバイルWiMAX」の強みは、なんといっても下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsという通信速度。動画などの大容量データもストレスなくダウンロード・アップロードできる。また、一つの基地局でカバーできる範囲が無線LANに比べて圧倒的に広いので、ホットスポットなどを探す手間なく、外出先で高速データ通信を利用できる。

 リーズナブルな料金体系も魅力の一つ。基本使用料が380円/月で、上限額が4980円/月の2段階定額プラン「UQ Step」、4480円/月の定額プラン「UQ Flat」、1日(24時間)600円でサービスを利用できる「UQ 1 Day」から選べる。なお、「UQ Step」と「UQ Flat」は、契約時に登録料として2835円が必要となる。

 「モバイルWiMAX」は、サービス提供会社をUQコミュニケーションズのほか、同社から回線を借り受ける複数の会社から選択できるのも特徴だ。大手家電量販店のビックカメラも、独自の「BIC WiMAX SERVICE」を提供している。料金体系はUQコミュニケーションズと同じで、基本使用料が380円/月で、上限額が4980円/月の「BIC定額Wダブル」、4480円/月の定額プラン「BIC定額」、1日(24時間)600円の「BIC 1 day」を用意する。「BIC定額Wダブル」と「BIC定額」は、登録料2835円が必要だ。

 独自特典として、「BIC WiMAX SERVICE」を契約したユーザーは、同社が提供する無線LANサービス「ビックカメラ・ソフマップ専用オリジナルプラン Wi2 300」を追加料金なしで利用できる。このサービスは、JR主要駅や空港、飲食店、ホテル、リムジンバスなど、全国7500か所の無線LANスポットでインターネットに接続でき、WiMAXの接続状況が悪いときなどに便利だ。

「BIC WiMAX SERVICE」を契約すると、無線LANサービス「ビックカメラ・ソフマップ専用オリジナルプラン Wi2 300」を無料で利用できる

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出張の多いビジネスマンが支持、認知拡大で契約数は上昇中



 ビックカメラ有楽町店本館では、「モバイルWiMAX」の認知度が上がり始めていること、またWiMAX経由でインターネットにアクセスするWi-Fiルータ、WiMAXモジュール内蔵のPC、データ通信カードなどのWiMAX製品の広がりを見越して、5月に「BIC WiMAX SERVICE」専用コーナーをPC売り場(5階)に設けた。コーナーには、WiMAXによってインターネットにつなげたPCを設置。そのスピードを体感できる。加えて、6月にオリジナル商品として「BIC WiMAX SERVICE」専用のWiMAX Wi-Fiルータ「URoad-7000(WiMAX Speed Wi-Fi)」を発売したことで、「6月は、5月に比べて契約数が約300件増えた」(立切主任)という。

ビックカメラ有楽町店本館 5階の「BIC WiMAX SERVICE」専用コーナー

 立切主任は、「通信速度の速さに加え、契約から30日を過ぎると解約金がかからないこと、Wi-FiルータなどのWiMAX製品をもっていれば、いつでも再契約できるなどの手軽さが、出張の多いビジネスマンに受けている。また、Wi-Fiルータなら、PCに加えて、ゲーム機や携帯オーディオなど、複数のWi-Fi機器をインターネットに接続できるので、固定回線として契約する一人暮らしの学生も多い」と語る。

5階 Windowsコーナーの立切達也主任

 通信サービスを契約するとき、ユーザーが一番気にすること、それはやはり対応エリアだ。「データ通信が高速で料金が安いという特徴は、CMの効果もあってユーザーに広まってきているが、まだまだエリアが狭いという印象をもっている人は多い」と、立切主任は語る。

 実際には、現在WiMAXの基地局は9000局を突破。法令指定都市と全国の主要都市をカバーしている。「それでも実際に使えるか心配」というユーザーには、「『モバイルWiMAX』対応のデータ通信カードを15日間貸し出し、サービスを無料で体験できるサービス『Try WiMAX』を利用してもらうことで、納得してからご契約していただいている」(立切主任)という。

 ビックカメラは、7月31日までに「BIC WiMAX SERVICE」の「BIC定額」に申し込むと、7、8月分の月額基本料が0円、10年9月から11年7月までの月額基本料が3780円になるなどのキャンペーンを展開中だ。「ビジネスマンだけでなく、より一般ユーザーの獲得を目指している」(立切主任)。

ビックカメラ有楽町店本館ではWi-Fiルータが人気



 では、WiMAX機器としてはどの製品が売れているのだろう。ビックカメラ有楽町店本館で一番契約数が多いのは、「URoad-7000」だ。同社は現在、「BIC定額」プランに申し込んだユーザーは、通常1万8600円の「URoad-7000」を4800円で購入できる期間限定のキャンペーンを実施している。このキャンペーンの影響が大きいようだ。

URoad-7000

 このほか、「半々くらいの割合で、WiMAXモジュール内蔵PCとデータ通信カードが売れている」(立切主任)という。「ビジネスマンが契約することが多く、PCでは特にパナソニックの製品が人気だ」(同)。

WiMAXモジュール内蔵のパナソニック「Let'snote S9」

 UQコミュニケーションズでは、10年度中に基地局数を1万5000局まで拡大し、2012年度末までには人口カバー率で90%までもっていく考えだ。通信速度についても、2012年のリリースを目標に、現在採用するIEEE 802.16eを高度化したIEEE 802.16mの開発を進めている。これによって、12年には下り最大330Mbpsの通信速度を実現するとしている。

 サービス開始当初の対応エリアは、東京23区、横浜、川崎、名古屋・京阪神などに限られていた。1年経った今、対応エリアは大きく広がり、「モバイルWiMAX」は“使える”サービスに成長した。今後さらにエリアが拡大し、通信速度がより高速になれば、ビジネスマンだけでなく、外出先でインターネットを利用する人すべてに欠かせないサービスとなりそうだ。(BCN・武井美野里)