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PCパーツ市場どう盛り上げる? 「多彩なニーズに応える」ZOAの取り組み

インタビュー

2010/07/22 11:16

 PCパーツ市場が振るわない。「BCNランキング」6月の対前年同期比は、販売台数89.8%、販売金額91.9%で、いずれも10ポイント前後落ち込んでいる。2009年7月以降、販売台数・金額ともに前年割れが続いている状況の中、販売店の現場では、どのようにPCパーツを訴求しようと考えているのか。ZOA秋葉原本店で話を聞いた。

 ZOA秋葉原本店は、東京・秋葉原の中央通りに平行する西側の路地にある。この店舗は1階がPC周辺機器、地下1階がPCパーツのフロアになっている。このほか、2階ではバイク用品、3階はLED製品を扱う。土日はもちろん、平日でも店を訪れる客は多い。ここで店長代理を務める山中翔氏は、PCパーツ市場、そして自作PCの文化が広がらない理由として「PCパーツを替えても、目に見えるような違いが体感できないからだ」と話す。

ZOA秋葉原本店

 例えば、インテルのCPU。「2009年9月に登場したCore iシリーズは、それまでのCore 2シリーズから変更することで『何ができるようになるのか』がわかりにくかった」と分析する。さらに、「最新CPUのパフォーマンスを生かすことができるPCソフトの数があまり出ていない」ことも課題だと指摘する。

山中翔店長代理

 自作PCのメリットが打ち出しにくくなっている中、それでもPCを自作しようとする人はどのようなユーザーなのだろうか。山中店長代理によると、「ゲームユーザー、ビジネスユーザー、これまでメーカー製PCを使っていたエントリーユーザー」に大別できるという。ゲームユーザーは、カプコンの「モンスターハンター」やスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」などを楽しむ人が多く、動画のパフォーマンスに直結するCPUやグラフィックスにこだわる。

 ビジネスユーザーは、長く使うことを想定しており、電気代に関係してくる電源、そして拡張性を考慮したPCケースを重きを置いている。また、エントリーユーザーは、組んだときのPCパーツ全体での価格を意識する。初心者なので、どのパーツを重視すればよいか、まだわからないからだ。つまり、「ユーザーによってお金をかけるパーツの種類が異なる」(山中店長代理)というわけだ。

地下1階のPCパーツのフロア

 このように、さまざまなニーズをもったユーザーがいると、それに応じた個別の提案が必要となり、店頭での販促の質が問われてくることになる。山中店長代理は「基本的なことだが、接客が最も大切」だと断言する。「丁寧に接客をすることで、ユーザーのニーズを掴み、適切な製品を提案していくことができる」のだ。

 例えば、ユーザーから提示された予算の中で、その人がPCでやりたいことがかなえられる製品を選ぶ、といった方法。また、地デジがPCで見られる内蔵型地デジチューナーやゲーム向けの高性能なグラフィックボードなど、来店者が当初想定していなかったパーツを追加で提案することで、自作PCのメリットを伝えている。


 今後ZOAでは、「ベアボーンPCやメーカー製PCをアップグレードする製品の拡販に加え、ゲームや動画・画像編集などの用途に応じた製品を提案していく」(広報)方針だ。こうしたZOA全店舗で一貫した方向性と店頭施策を連携して、PCパーツ市場に注力していく。

 PCパーツ市場の大きな動きとして、2011年、CPUメーカーは新しい製品の投入を予定している。インテルは開発コード「Sandy Bridge」のCoreシリーズ、AMDはCPUとGPUを融合した新しいプロセッサ「Fusion」を目玉とする。こうした新しいCPUの登場が、どれだけPCパーツ市場の起爆剤になるのか、ここは注目しながら見守りたい。

インテルが2011年に発表するCoreシリーズの新しいCPU。
開発コード名は「Sandy Bridge」

 地道ではあるが、販売店とPCパーツメーカーがともに、「パーツを交換するとPCの何がよくなるのか」という具体的なメリットを、自作PCについて知らない、もしくは詳しくないユーザーにわかりやすく伝えていくことが、自作PCの文化のすそ野を広げる近道ではないだろうか。(BCN・井上真希子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。