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スマートホームで暮らしをもっと便利に! Natureが描く次世代エネルギーの未来

販売戦略

2025/10/30 18:05

 電気代の高騰、電気自動車(EV)の普及、そして再生可能エネルギーに対する関心の高まり──。このような暮らしの変化に、IoTで答えを出そうとしている企業がある。スマートリモコン「Nature Remo」シリーズとスマホHEMS「Nature Remo E」シリーズを提供するNatureだ。家庭の電力を「見える化」したり、家電やエネルギー機器の自動制御で電力利用を最適化したりすることで、電気代の節約と地球環境への配慮を両立させる。塩出晴海CEOに、エネルギーの未来と暮らしの関係について聞いた。

塩出晴海CEO

「自然との共生をドライブする」──IoTでエネルギーを変える

――Natureの事業ミッションについて教えてください。

塩出 当社のミッションは「自然との共生をドライブする」です。IoTプロダクトを通じて、再生可能エネルギーへのシフトを加速させることを目指しています。2017年にスマートリモコンのNature Remoを発売し、スマートホーム市場を牽引してきました。19年には「Nature Remo E」でエネルギーマネジメント事業に参入し、家庭の電力を可視化・制御する製品を展開しています。

――具体的にはどのような製品を提供しているのですか。

塩出 代表的な製品は「Nature Remo E」シリーズです。これはスマホHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)で、太陽光発電やスマートメーター、エコキュートなどと連携し、家庭内の電力消費のモニタリングやエネルギー機器の制御ができます。工事が不要でコンセントに挿すだけで導入できる手軽さも特徴です。
 
Nature Remo E2

 また、「Nature Green」というエネルギーの最適な活用をサポートするサービスも使えます。
 
Nature Green
 

「売るより使う」時代へ、自家消費の最大化がカギ

――電気代の高騰が続く中、Natureの製品は家計にどう寄与できますか。

塩出 現在、日本では売電価格が15円/kWhに対し、購入電力は約35円/kWh(25年9月時点)と高く、自家消費の方が経済的に有利です。つまり、太陽光で発電した電気は「売るより使う」方が得なんです。

 当社の製品は、こうしたニーズに応えるため、自動制御によって自家消費率を最大化する機能を備えています。国もこの流れを後押ししており、GX志向型住宅の導入に対して最大160万円の補助金が出ています(交付申請受付は終了)。当社の製品は、こうした国の政策要件に該当しており、導入を促進する役割も担っています。

――Nature製品を使えば、「スマートホーム」や「家庭内のエネルギーマネジメント」を実現するということですね。ただ、導入のハードルが高いという人もいるのではないでしょうか。

塩出 「スマートホーム」ということを意識させないことが重要だと考えています。例えばEVの「テスラ」。初めて乗ったとき、「もうガソリン車には戻れない」という声をよく聞きます。静かで滑らかな走り、スマホ感覚の操作性など、未来を感じる体験が味わえます。実は、スマートホームも同じで、電気代の見える化、家電の自動制御、太陽光との連携など、一度使えば、もう元の暮らしには戻れないと感じるはずです。

 Nature Remo Eシリーズをコンセントに挿して電力の使用状況をスマホで確認する、Nature Greenで太陽光の発電量に合わせてエコキュートの沸き上げ時間を自動調整するなど、「家計」という観点でいえば電気代の高騰という悩みを、見える化と自動化で応えます。

 また、別の観点でいえば、「電気を消したい」「エアコンをつけたい」「カーテンを開けたい」という日常の動作が、大きなハードルになることがあります。例を挙げれば、重度の障害を持つ方です。スマートホームなら、声やスマホ一つで可能になります。「できないこと」が「できる」に変わることで、自立と尊厳を感じられるようになります。また、家族や介助者の負担を軽減するツールにもなります。当社の製品が、そのような環境を広げる一助になればと考えています。
 

EV充電も「太陽任せ」 「Nature EV Switch」の可能性

――EVとの連携についても取り組まれているそうですね。

塩出 はい。今年、「Nature EV Switch」を発表しました。これは一般的なEVコンセントを安価にスマート化する製品で、Nature Remo Eシリーズと連携させることで太陽光が多く発電している時間帯にだけEVを充電するなど、最適な充電制御が可能になります。

 EVの充電に自家発電を使うことで、例えば往復1回当たり約300円、年間で3万6000円のコスト差が生まれるほどのインパクトがあります(使用状況によって異なる)。EVの普及が進む中で、スマート充電の重要性はますます高まると考えています。
 
Nature EV Switch

家庭が“発電所”になる──次世代電力インフラへの挑戦

――今後の展望について教えてください。

塩出 当社は、分散型エネルギーリソース(DER)を最適制御する「Nature DER Platform」の構築を進めています。太陽光パネル、蓄電池、EVなどをネットワークでつなぎ、家庭のエネルギーを電力インフラの一部として活用する未来を目指しています。

 また、電力会社向けには「デマンドレスポンス支援サービス」を提供しており、家庭側のエネルギーリソースを調整力として活用する取り組みも進めています。IoT化のコストが下がる中、スマートホームの普及は、今後ますます進むと考えています。家庭のエネルギーを制御することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
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