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2022年、薄型テレビ(液晶+有機EL)でTVS REGZAが初のトップ獲得!

 「レグザ」ブランドでテレビやレコーダーを展開するTVS REGZAは、家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」の2022年の薄型テレビ全体(液晶+有機EL)のメーカー別販売台数で、初の1位を獲得した。高画質・高音質のプレミアムモデルとなる有機ELテレビの販売台数が前年の2倍近くまで拡大、非4K液晶テレビはもちろん4K液晶テレビも好調で、総合力でトップを制した。TVS REGZAは、年始に米ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジーショー「CES2023」において、「ミリ波」を活用したさらなる高画質・高音質化を実現する新技術を披露。技術面でも注目のテレビメーカーだ。

有機EL、4K液晶で躍進したTVS REGZA

 薄型テレビのメーカー別販売台数シェアの推移を見ると、2021年、TVS REGZAは2.4ポイント差で2位だったが、22年は2.2ポイント差をつけて1位となった。シャープは昨年と同じシェアをキープしており、TVS REGZAはシャープ以外のメーカーからシェアを奪う形で1位を獲得したことがわかる。
 

 薄型テレビ市場で最も販売台数の大きい非4K液晶では、TVS REGZAのシェアは26.6%を占め、21年に続きトップを獲得。4K液晶でも、TVS REGZAは1位のシャープ(23.2%)と0.02ポイントの僅差(23.18%)まで追い上げた。有機ELでは、ソニー(33.0%)、シャープ(20.2%)に続く3番手(19.0%)だが、22年の伸び率は前年比194.8%で上位3社を大きく上回る。有機EL市場でも存在感は高まっているといえるだろう。
 

2023年も激戦が予想されるテレビ市場

 今年のテレビ関連のトピックスを挙げると、23年10月にNHK受信料の値下げ、23年12月1日にNHK BS 2K/4Kのチャンネル再編(3チャンネル→2チャンネル、BS 4Kの24時間放送移行)が実施される予定だ。近年、放送波で各家庭に番組を届ける「テレビ」と、インターネット回線を通じて個人にコンテンツを届ける「配信」の融合が進み、無料の「TVer」や「ABEMA」、有料の「Netflix」といった動画配信サービスの存在感が高まっている。22年10月には、TVS REGZAの一部機種(22年発売の4Kモデル、21年発売のAndroid TV搭載4Kモデルは4月から対応済)と、パナソニック、LGの一部機種が新たにNHKの同時配信・見逃し配信サービス「NHKプラス」の視聴に対応し、テレビでの動画配信の視聴がますます便利になると話題になった。STBなどのハードとサービスの両方の整備が進み、いよいよ”配信ファースト”の新たな時代が到来しそうだ。
 
”配信ファースト”時代を先取りした主要9サービスの専用ボタンを備えたレグザのリモコン。My.Choiceボタンは、ダイレクトボタンにないお気に入りのネット配信サービスや、Fire TV Stickなどを挿したHDMI入力端子を登録し、ボタンひとつで呼び出せる

 TVS REGZAがCES 2023で参考出品したミリ波を用いた新技術にも注目だ。業界に先駆け採用したミリ波レーダーセンシングシステムで、視聴者の位置を特定し、その情報をもとに画質や音場を自動調整する。TVS REGZAはこの技術を搭載した77型の4K有機ELレグザと75型の量子ドット対応4K Mini LED液晶レグザをCES 2023に参考展示した。
 
視聴距離に即した適切な画質に自動調整する「ミリ波レーダー高画質テクノロジー」

 BCNの道越一郎アナリストは、22年のTVS REGZAの躍進の背景として、東芝レグザから引き継いだ、マニア心をくすぐる「充実した録画・再生機能」と「インターネット動画配信との親和性」を挙げ、CES2023で発表しミリ波レーダーで視聴者の位置を特定し画質と音質を向上させる技術を引き合いに、「2023年ますます注目のメーカー」と期待を寄せる。

 ドラマ・映画・ドキュメンタリー中心の2Kチャンネル「BSプレミアム」が終了するNHKのBSチャンネル再編は、4Kチューナー搭載テレビへの買い替え需要を喚起する可能性がある。4K放送とネット配信中心の新たなステージに入る今年のテレビ市場では、昨年末、4K液晶テレビで1位死守の底力を見せたシャープをはじめとする上位メーカーのシェア争いがますます激しくなりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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