将来、テレビは、地上デジタルやBSデジタルといった放送波を使ったテレビ番組ではなく、動画配信サービスを中心に見るスマートテレビになるだろう。AIなどの新しいテクノロジーの活用も進み、見た目は変わらずとも、中身は変わる。むしろ、すでに4Kテレビから、実質的には4Kモニタに変わりつつある。問題は、多くの人が、「変わった」と認識する時期がいつになるかだ。

「動画配信優先」に一歩踏み出したソニー

 最新のインターネット対応テレビは、インターネットに接続し、付属のリモコンを操作して無料のYouTubeや有料のNetflix、Hulu、dTVなどの動画配信サービスを視聴できる。ソニーやシャープから出ているAndroid TV搭載機種は、プリインストール済みアプリに加え、好きなアプリを自由に追加でき、インターフェースこそ異なるものの、設置した場所から動かせない、大画面の据え置き型スマートフォンといった印象だ。
 
「テレビ」で見られるコンテンツは拡大している

 Android TV搭載機種は、初期設定でGoogleアカウントを入力する必要がある。アカウントを持っていない場合は、面食らうかもしれないが、すでにGoogleのサービスを利用していれば、慣れ親しんだ手順でスムーズに設定できるだろう。ただ、付属のリモコン操作だと文字入力が面倒なので、利用シーンや見たい番組・コンテンツに応じて、リモコンのマイクボタンに向かって話しかけて検索する、音声認識に頼ることになる。

 自宅で使用しているソニーのAndroid TV搭載4K液晶テレビ「KJ-43X8300D」のメニュー画面には、地上/BS/CSデジタル放送とインターネット動画配信サービスが並ぶ。むしろ動画配信サービスやアプリのほうが目立つくらいだ。

 さらにソニーは、6月9日から順次発売する「4Kブラビア」の新製品から、動画配信サービスをメインで視聴するユーザーにとって使いにくかった従来のリモコンデザインを一新。一番目につくトップ位置に、Hulu/Netflix/U-NEXT/AbemaTV/YouTubeの5つの動画配信サービス専用ボタンを配置した。専用ボタンは電源ボタンを兼ねており、電源オフ状態から一押しで各サービスが起動する。
 
「放送」と「通信」のウエイトの逆転を感じさせる「ブラビア」の新リモコン。
賛否は分かれそうだ

 「テレビ(地上波)は見ないから、テレビやレコーダーは要らない」と主張しながら、情報源代わりに、PCやタブレット端末、スマホでYouTubeを頻繁に見ているなら、むしろ最新のAndroid TV搭載テレビを買うべきだとアドバイスしたい。

 最もAndroid TV搭載テレビは起動が遅く、使いにくいというユーザーの声もあり、3年、5年と使い続けた場合にどうなるか、やや不安な点もある。また、既存のテレビにGoogleの「Chromecast」や「Amazon Fire TV/Fire TV Stick」を追加すれば、テレビを買い替えずとも、コストをかけずに、実はほぼ同じことができてしまう。若い世代を中心に、動画配信サービスの比重が増えるなか、テレビメーカーの模索は続きそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)