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1万円以内のWi-Fi 6対応モデルでトップシェア! 無線LANルータで“TP-Link”が売れている理由

 働き方の選択肢としてテレワークが定着したことで、最新無線規格「Wi-Fi 6」に対応する無線LANルータの販売が伸びている。安定した接続性や高いセキュリティ性能を誇る高速通信は、自宅でオフィスと変わらないワーク環境を再現するのに欠かせない要素。ある程度、テレワークに慣れてきた人が業務のさらなる効率化を目指して、導入するケースが増えているようだ。
 

 価格面でのハードルが下がってきたことも普及を後押ししている。少し前までWi-Fi 6対応はハイエンドの限られたモデルのみに備わっていたが、現在は1万円を切る比較的手頃なモデルにも実装され始めている。こうした需要の高いコスパモデルで急速に存在感を高めているのが、TP-Linkだ。全国の家電量販店やECショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、2021年上半期(1月~6月)における「1万円以内」かつ「Wi-Fi 6対応」の無線LANルータの販売台数シェアで首位を獲得した。
 
2021年上半期(1月~6月)における「1万円以内」かつ「Wi-Fi 6対応」の無線LANルータの販売台数シェアでTP-Linkが首位を獲得

 TP-Linkの日本市場参入は2016年と日が浅いが、グローバルでは長年にわたり高い実績を誇ってきた企業だ。無線LAN機器プロバイダーとして10年連続で世界シェアNo.1を達成(21年第1四半期IDC調べ)しており、技術力や品質は折り紙付きだ。日本市場でのポジションも着実に固めてきており、無線LANルータ市場全体でも21年上半期の販売台数シェアで2位につける。そして、そのなかでシェア上昇の要因となっているのが、「1万円以内」かつ「Wi-Fi 6対応」の無線LANルータに対するユーザーの支持だ。

 具体的なシェアをみると、「1万円以内」かつ「Wi-Fi 6対応」の無線LANルータにおけるTP-Linkの販売台数シェアは30.1%。バッファローやエレコム、IOデータ機器などの名だたる企業を抑えている点には驚く人も多いかもしれない。今回は売れ筋の製品から「なぜTP-Linkが選ばれているのか?」という理由を分析してみたい。

 21年上半期の「1万円以内」かつ「Wi-Fi 6対応」の無線LANルータにおける機種別ランキングをみると、TP-Linkはトップテンに3製品をランクインさせている。いずれも人気なのは「Archer」シリーズ。トップの「Archer AX20」は10.3%と唯一の2ケタシェアを獲得している。
 

 「Archer AX20」は1万円を切る価格ながら、2.4 GHzと5 GHzの両方でWi-Fi 6に対応した無線LANルータで、複数台の端末を同時に使用しても、それぞれでしっかりと高速通信の恩恵を受けることができる。また、4本のアンテナやビームフォーミング技術によって、離れた場所にあるデバイスでも接続か安定するのもメリットだ。
 
機種別販売台数ランキングでトップの「Archer AX20」(想定販売価格は税込8800円)

 CPUは1.5GHzクアッドコアと強力で、高負荷でもサクサク動作してくれる。セキュリティは高いプロテクト能力を備えたWPA3に対応。応用力も高く、LANポート×4/WANポート/USBポートを搭載しているので、有線LANを使用したり、NAS環境を導入したりといったニーズにも応えてくれる。さらに専用アプリを利用すれば中継器とつないで簡単にメッシュWi-Fi環境を構築することもできるなど、性能面・機能面のいずれの観点からもコスパのよさが際立つモデルとなっている。

 4位にランクインしている「Archer AX10」も手頃な価格で導入しやすいモデルながら、性能はパワフル。1.5 GHzのトリプルコアCPUを搭載し、大容量のデータも高速で処理することができる。8月16日にはファームウェアのアップデートで、OneMesh対応の中継器と組み合わせることでメッシュ環境の構築が可能に。さらにIPv6プラスとDS-Liteにも対応し、より快適に高速通信を利用できるようになった。
 
「Archer AX10」(想定販売価格は税込7590円)は8月16日にファームウェアをアップデート

 若い世代ではPCを持たずスマートフォンのみを使っているという人もいるかもしれないが、コスパにすぐれる高性能の無線LANルータはそうしたユーザーにも刺さりそうだ。iPhone 12シリーズをはじめとした最新スマホはWi-Fi 6に対応しており、ビデオ通話やオンラインゲームは無線LANルータを利用することで快適性が見違えるほど改善される。また、現在はステイホームで自宅にいる時間が長いので、Wi-Fiを有効に活用することでスマホの運用プランを見直すきっかけにもなるだろう。