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au PAY「毎週10億円還元」、ルール変更前にチャージした15万円の行方

オピニオン

2020/02/22 18:00

 スマートフォン決済サービス「au PAY」が2月10日から実施している「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」に、突然、条件が追加された。1日当たりの付与上限を6000円相当にするという。高額商品を購入しようと計画していた消費者たちの中には、落胆する人もいた。記者も思わず、ため息をついてしまった。何しろ、事前にau PAYアプリに15万円をチャージしていたからだ。セキュリティは万全で、自分以外で使えないと分かっていても、大金を身につけるのは不安だ。

後々、ルールが変更されるとも知らずに15万円をチャージしたau PAYアプリ(2月17日撮影)

 同キャンペーンは、au PAYの全ユーザー、全加盟店が対象。期間中にau PAYで会計すると、20%が還元される。期間と付与上限は三つに分かれており、ステージ1(2月10日~3月1日)が3万円相当、ステージ2(3月2~22日)も3万円相当、ステージ3(3月23~29日)が1万円相当。さらに、月~日曜日の7日間ごとに10億円の総還元上限額が設定されているなど、複雑なキャンペーンだが、上手くいけば最大7万円の還元が受けられるお得なキャンペーンだ。
 
高額還元キャンペーンとして話題を集める「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」

ルール変更でキャンペーンの利用方法が根本から覆る

 還元上限については、期間中に3万円(もしくは1万円)相当までというルールのみ。15万円以上の買い物を1回すれば付与上限に届くはずだった。

 しかし今回、1日の還元額に6000円相当という上限が新たに設けられたことで、1日約3万円の買い物が還元上限のラインに変更。期間中の還元上限に到達するには、最低5日に分けて約3万円の買い物をしなければならなくなった。一括で高額商品を購入しようと計画していた人にとっては、苦しい状況だ。

事前準備が仇になる

 新条件が適用されるのは、2月24日に始まる第3週から。同日は天皇誕生日の振替休日なので、平日に買い物するのが難しい人もキャンペーンに参加しやすい日程だ。この日にiPhone 11 Proを一括で購入しようと計画していた記者は、事前準備として残高をチャージしていた。そもそも、最初は2月17日を狙ってチャージしていたのだが、欲しい商品はどこも品切れ。諦めて2月24日に計画を変更した。ところが、2月20日に突然、条件が変更され驚愕。チャージしていた15万円分のau WALLET残高の使い道が、宙に浮いてしまった。

 1日経って冷静になれば、15万円の行く先はいくつか思いついた。まず、現金に戻す方法。じぶん銀行に口座を持っていれば、手数料はかかるが、自らの口座に残高を戻すことが可能だ。手数料分の還元を受けたら、口座を開設して現金に戻そうかとも思う。

 このほか、au PAYはコンビニや薬局、家電量販店など、日常の買い物でも利用できるので、現金代わりに使う方法もある。1日500~1000円相当使うとしても、半年はau PAYだけで過ごせる。また、当初の計画通り、au PAYでスマホを購入するのも手だ。ただ、iPhone 11 Proをau PAYで一括購入すると、ルール変更の影響で単純計算2万4000円相当の還元を受け取り損ねることになる。より安価なスマホを購入する方が現実的かもしれない。

 今回は還元上限を途中で変更されて、悔しい結果になってしまった。キャンペーンページの注意事項に「キャンペーンは予告なく変更もしくは終了する場合があります」と記載されていたとしても、割り切れない気持ちは少しばかりある。

 ただし、買い物をして20%も還元があること自体が有難い、という事実を忘れるわけにはいかない。キャンペーンに便乗して値上げする店舗もあるのかもしれないが、本来もらえるはずのない還元には感謝したい、と涙ながらに思った。(BCN・南雲 亮平)