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ソニー、ニコンが前年超え、レンズ交換型デジカメ年末商戦

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2020/01/12 17:00

 レンズ交換型デジカメの2019年年末商戦は、10月の増税の影響もあって12月最終週(12月30日~1月5日)でも販売台数前年比が81.8%と2桁割れに終わった。しかし、回復傾向は続いており、新年に期待をつなぐ結果になった。メーカー別では、キヤノンが12月最終週まで大きなマイナスから脱することができなかった一方、ソニーやニコンは前年を上回るなど、メーカーごとに明暗が分かれる結果になった。


 BCNランキングで19年12月2日~20年1月5日までの5週間、レンズ交換型デジカメの主要メーカー別販売台数シェアや販売台数同週比を集計した。12月2日週(12月2~8日)では、レンズ交換型デジカメの販売台数が前年同週比44.4%と大きな落ち込みを示した。

 10月に実施された消費増税の影響に加え、18年12月初旬に実施されたPayPayのキャンペーンの反動によるもので、主要メーカーは、いずれも前年比で大きなマイナスに苛まれた。しかし、週を追うごとにマイナス幅は縮小している。

 メーカー別で見ると、キヤノンは30%台の高いシェアを維持しトップを独走している。しかし、販売台数前年比を見ると、12月30日週でも55.7%と競合他社と比べて大きなマイナス圏から脱出できていない。ミラーレスのEOS Kiss M、EOS Rを発売した18年は、ミラーレスカメラの販売で大いに盛り上がったものの、この年末商戦では勢いを維持できなかった。90Dを発売してテコ入れを図った一眼レフも、12月最終週では前年比で販売台数が半減した。
 

 ミラーレスカメラで好調なソニーは、12月16日週(12月16~22日)でプラス圏に到達。12月最終週には、122.8%と前年を大きく上回り、増税の影響から逃れつつある。

 ミラーレスカメラで苦戦していたニコンは、11月に発売したZ50が奏功。これまでZ6/Z7と高価なフルサイズしかなかったラインアップにAPS-Cで手頃な価格のZ50を投入したことで、12月最終週にミラーレスの売り上げが248.9%に拡大した。一眼レフも、税別の平均単価が7万円台と安さを武器に健闘して98.8%と前年並み水準を維持。レンズ交換型全体では、110.5%と2桁増を記録している。
 

 ボディ・レンズキットを合算した製品別の販売台数ランキングでは、上位3機種がミラーレスで、4位以下に一眼レフが4機種ランクインした。レンズ交換型デジカメ全体の平均単価は、すでにミラーレスが一眼レフを上回っている状況だが、個別のランキングでも「単価高めのミラーレス」対「手頃な価格の一眼レフ」という構図が見て取れる。

 一眼レフからミラーレスへと急速に市場構造が変わっていく中で、どのようなポートフォリオで売り上げを維持しつつ構造変化に対応していくか。上位メーカーのキヤノン、ニコンにとっては大きな課題だ。(BCN・道越一郎)