2019.7.26 18:10
暮らしにプラスどうしてソニーが猛暑対策グッズ?「REON POCKET」の開発者に聞いた
スタートアップの創出と事業運営を支援するソニーのクラウドファンディング「First Flight」で、7月22日から出資を募っているインナーウェア型冷温ウェアラブルデバイス「REON POCKET」は、目標金額の6600万円に向け、わずか5日後の7月26日現在、達成率48%の約3100万円以上を集めている。東京ビッグサイトで7月24日から26日まで開催した「猛暑対策展」でデモ機を展示。開発者の一人であるソニーのStartup Acceleration部 Business Launch Teamの伊藤健二アドバイザーに話を聞いた。
「REON POCKET」とソニーのStartup Acceleration部 Business Launch Teamの
伊藤健二アドバイザー
REON POCKETのブースは小さく、手づくり感満載だった。「SONY」のロゴも掲出してないため、ブースを探すのに一苦労。事前情報を持たず来場したのだろうか、素通りする人も少なくなかった。
ソニー広報によると、ブース出展費用やポスターの制作費などの全てを自分たちの事業計画からまかなうという。ソニーの社員が手掛ける事業ではあるが、まさにスタートアップそのものなのだ。
ソニーのブースとは思えない手作り感満載なのがスタートアップらしい
REON POCKETはペルチェ素子を使った冷温両用のデバイスで、東レと開発した専用インナーウェアの首もとのポケットに入れて使う。温度調節などはスマートフォン(スマホ)のアプリで操作する。
猛暑対策だけでなく冬も使える冷温両用の「REON POCKET」。
右は首もとに装着する面
夏は室温30度の環境で体表面温度が36度だったが、REON POCKETを装着すると5分後に13度低い23度になる。逆に、冬は室温15度で体表面温度が31.5度だったのが、5分後に8.3度高い39.8度になる。実際にデモ機のデバイス面を触ったが、スマホの温度調節に応じて、すぐに冷たくなったり温かくなったりすることが確認できた。
専用のインナーウェアに装着して使用する
伊藤氏はソニー初の業務用や民生用の4Kビデオカメラの開発に携わっており、REON POCKETは「ハンディカム」や4Kテレビ「ブラビア」で培われたCPUやIC系の放熱処理技術が使われている。
大容量データの4K映像をリアルタイムで処理する当時の映像処理エンジンは、今ほど高性能ではなく、かといって本体サイズはコンパクトでなければならない。相当高いレベルの熱処理技術が求められたことだろう。REON POCKETはメッシュ状の箇所から空気を吸い込んで、反対側から排熱する仕組みだ。
半導体のペルチェ素子デバイスもソニー独自のものが使われている。REON POCKETの構想段階でソニーの別の開発者を紹介され、結露しない温度帯で制御できる独自の半導体デバイスがあることを知ったのだ。市販のガジェット系のペルチェ素子は、冷たすぎて空気中の水分がデバイスに吸着し結露が生じてしまうものもあるが、REON POCKETはそうした不快感がないように配慮した。
また、Bluetoothによるケーブルレスでポケットに入れるスタイルにしたのも、ターゲットをビジネスパーソンに絞ったからだ。「Yシャツやジャケットを着用したときに、外観からデバイスが目立たないようにするため」と伊藤氏は語る。
ターゲットはビジネスパーソンに絞った
首もとに触れる部分は、100分の5mmという超極薄シリコン素材を使用。べたつかずに、かつ滑らないというデバイスと肌との間の絶妙なバランスを保っている。
現時点ではデモ機以外は全てモックのため、レビューの貸し出しができないあたりもスタートアップらしい。量産するための工場の選定や生産計画なども資金の調達状況を見てから判断する。
製品化は、ビッグイベントがある20年夏を目論むが、もちろん出資の目標金額に到達できなければそれは夢と散る。クラウドファンディングの締め切りは8月19日の予定だ。(BCN・細田 立圭志)
伊藤健二アドバイザー
REON POCKETのブースは小さく、手づくり感満載だった。「SONY」のロゴも掲出してないため、ブースを探すのに一苦労。事前情報を持たず来場したのだろうか、素通りする人も少なくなかった。
ソニー広報によると、ブース出展費用やポスターの制作費などの全てを自分たちの事業計画からまかなうという。ソニーの社員が手掛ける事業ではあるが、まさにスタートアップそのものなのだ。
REON POCKETはペルチェ素子を使った冷温両用のデバイスで、東レと開発した専用インナーウェアの首もとのポケットに入れて使う。温度調節などはスマートフォン(スマホ)のアプリで操作する。
右は首もとに装着する面
夏は室温30度の環境で体表面温度が36度だったが、REON POCKETを装着すると5分後に13度低い23度になる。逆に、冬は室温15度で体表面温度が31.5度だったのが、5分後に8.3度高い39.8度になる。実際にデモ機のデバイス面を触ったが、スマホの温度調節に応じて、すぐに冷たくなったり温かくなったりすることが確認できた。
開発のきっかけは異常気象
しかし、そもそもなぜソニーが猛暑対策グッズなのだろうか。伊藤アドバイザーは「2017年7月に中国の上海に出張したとき、気温が40度を超えていて、地球の気象はどうなってしまうのかと思ったのがきっかけ」と語る。自身の体験から、夏の猛暑の中で働くビジネスパーソンの役に立つ製品をつくれないだろうかと考えたという。伊藤氏はソニー初の業務用や民生用の4Kビデオカメラの開発に携わっており、REON POCKETは「ハンディカム」や4Kテレビ「ブラビア」で培われたCPUやIC系の放熱処理技術が使われている。
大容量データの4K映像をリアルタイムで処理する当時の映像処理エンジンは、今ほど高性能ではなく、かといって本体サイズはコンパクトでなければならない。相当高いレベルの熱処理技術が求められたことだろう。REON POCKETはメッシュ状の箇所から空気を吸い込んで、反対側から排熱する仕組みだ。
半導体のペルチェ素子デバイスもソニー独自のものが使われている。REON POCKETの構想段階でソニーの別の開発者を紹介され、結露しない温度帯で制御できる独自の半導体デバイスがあることを知ったのだ。市販のガジェット系のペルチェ素子は、冷たすぎて空気中の水分がデバイスに吸着し結露が生じてしまうものもあるが、REON POCKETはそうした不快感がないように配慮した。
また、Bluetoothによるケーブルレスでポケットに入れるスタイルにしたのも、ターゲットをビジネスパーソンに絞ったからだ。「Yシャツやジャケットを着用したときに、外観からデバイスが目立たないようにするため」と伊藤氏は語る。
首もとに触れる部分は、100分の5mmという超極薄シリコン素材を使用。べたつかずに、かつ滑らないというデバイスと肌との間の絶妙なバランスを保っている。
現時点ではデモ機以外は全てモックのため、レビューの貸し出しができないあたりもスタートアップらしい。量産するための工場の選定や生産計画なども資金の調達状況を見てから判断する。
製品化は、ビッグイベントがある20年夏を目論むが、もちろん出資の目標金額に到達できなければそれは夢と散る。クラウドファンディングの締め切りは8月19日の予定だ。(BCN・細田 立圭志)
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