フルサイズミラーレス年末商戦はソニーが圧勝

 フルサイズミラーレス一眼市場は戦国時代に突入した。その幕開けとも言うべき2018年の年末商戦は、ソニーが66.4%の販売台数シェアを獲得して圧勝した。ソニーの独壇場だったこの市場にニコンが「Z 7」をひっさげて参入したのは9月。続く10月にはキヤノンが「EOS R」、さらに11月にはニコンが低価格版の「Z 6」を発売。最大の商戦期12月には製品が出そろい、後発2社がソニーの牙城をどこまで崩せるかに注目が集まっていた。

 7月頃まで100%近いシェアを握っていたソニー。2社が参入した10月以降は7割を切る水準まで大きくシェアを落としたものの、11月、12月と7割弱の水準は維持できている。結果的にはニコンキヤノンに大きな差をつけたまま年末商戦を終えた。ボディーやレンズのラインアップが豊富で価格が安いことが勝因だ。
 

 付属のキットレンズやカラーの違いごとに別々に集計した機種別の販売台数ランキングでは、α7 IIIが40.8%とダントツ。2位はキヤノンのEOS Rで17.5%、3位はニコンのZ 6で13.0%だった。販売金額順では、α7 IIIがトップなのは変わらないが、単価の高いZ 6とEOS Rが入れ替わっている。

 販売台数ランキングを見ても明らかな通り、ソニーの豊富なラインアップが目立つ。後発のニコン、キヤノンがソニーと互角に戦うためには、ラインアップの強化が必須だろう。この春にはパナソニックもライカLマウントで参入が決まっている。ますます戦いは激しくなりそうだが、一方で一眼レフからミラーレス一眼への乗り換えも急速に進んでいる。2019年はデジカメがホットな年になりそうだ。(BCN・道越一郎)


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